GROM デコンプ付きST2Mカム

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ヨシムラのハイカム、ST-2Mはオートデコンプが付いていないこともあって、始動時にセルの回りが重たくひっかかりながらなんとかクランキングするという感じでした。ここへきて冷え込んだ朝のエンジン始動でクランクを回せなかったこともあって、純正カムに付いているデコンプを取り付けたいなぁ、と随分前から思っていました。ST-2Mにはデコンプ取り付け用の穴が最初から空いているのです。

問題はカムの両端から圧入されているベアリング。特に純正カムのデコンプ側は普通の外爪タイプのベアリングプーラーではかかりが浅く、手持ちの工具では無理だと諦めていました。が、何を思ったか「爪をグラインダで削って専用工具を作ってみよう!」と突然やる気がでて現物合わせしながら爪の強度が落ちない程度に削っていった結果、いろいろ工具を組み合わせてベアリングを抜き取ることに成功しました。

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上が純正カム。はずしたベアリングを比べてみると、純正の方がシャーっと軽く回りますが、精度が荒い感じ。ST-2Mのベアリングはしっとりと静かに回ります。純正カムの右端に付いているメカがオートデコンプで、始動時はカムのリフト位置を変えてピストンの圧を抜き、エンジンが始動したら遠心力でカム本来のリフト量がバルブに伝わるような構造になっています。

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デコンプを組み付けて、両端にベアリングプッシャーを咬まして圧入。

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できました!デコンプ付きのST-2Mカム!

デコンプが付くことでカム自体が重くなるため、本来のハイカムの仕事であるはずの高回転でモリモリパワーが出る、という性能はスポイルされるようです。実際にデコンプ付きのカムのパワーチェックの結果をみると、ピークが少し下がっている感じ。でも、街乗り用ですから絶対パワーが必要なわけじゃないし、街乗りでの乗り味や使い勝手が向上すればこのマシンの場合は正解なんじゃないかと思います。

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ついでに外してみたカムチェーンのガイドローラー。削れてるんじゃないかなぁ、と思って予めスペアを用意しておきましたが、本当に凸部が薄っぺらく削れていました。これ、軸上で自由に動く部品なので、チェーンラインとズレていたらちょうど良いところに収まるような構造しているはずなんだけどなぁ。まぁ、凸部がなくなったとしてもローラーの外周自体が削れてなければチェーンのたるみなどは発生しないはず。オートテンショナーも付いているし。

2 Comments

ryu

本年も色々見させていただきました。ほぼ街乗りなのでエンジンなどの改造はしてませんがgromネタは楽しいです。来年も楽しみにしてます。ご家族皆さんでよいお年をお迎えください。

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つがたく

>ryuさん
ご挨拶が遅れましたが、どうもありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いします。

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