GW 7日目 阿蘇ツーリング帰路

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日が変わる頃に起きると、東の山の稜線付近に天の川が見え始めていました。

午前2時頃、あんまりフライシートのバタつきがひどいので、この風なら朝露も落ちてこないだろうとフライシートを取り払ってハンモックに潜り込むと‥いやいやいやいや、これはすごい、目の前いっぱいの星空。寝転がった状態で目線を少し下げると左から右に天の川が横たわっている。

午前4時頃、天の川は天頂に。寝ている自分からみると真正面を左から右にミルキーウェイが‥。星の位置を確認する携帯のアプリを起動して真上に向けてみると、まさに天の川は真正面横一文字。これは眺め続けなければもったいない‥と、空が白んできて天の川が消えていくまで見ていました。最後は真正面を通り越して少し上(西)側へ光の帯が移動してしまったので、寝ている僕は見上げるような体制になってしまいましたけれど‥。

滅多にできないとてもロマンチックな体験に思えますが、ハンモックの中で赤いシュラフに包まってタラコのようになりながら、外気に触れると寒いので眼鏡をかけた眼だけが穴からのぞいて星を見ている様子は、人に真似しろとは言いがたい格好でした。

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ライトを頼りにしなくても行動ができるくらい空が明るくなってきたころにキャンプ場を出発。他のキャンパーはこの神秘的体験を知らずに朝を迎えたのか‥もったいない。

5時半ごろの日の出、ということでその15分前くらいまでにどこか良いところを探して朝焼けの写真を、と思っていたら意外と良い場所が見つからず、阿蘇の根子岳の後ろに朝焼けが広がるような位置までは時間的にとてもたどり着けなかったので空が茜色のうちに写真を撮っておきました。

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ギリギリ根子岳も一緒に収めてみましたけれど、ちょっと残念。

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南阿蘇の外輪山。空には‥地震雲?僕は地震雲自体全然信じませんけれど、しつこいくらい帯状の長い雲がかかっていました。

傍目には阿蘇の北側ほどの被害は感じられませんでしたが、昨日の的石地区の様子を見て物見遊山的に訪れる気持ちには全くなれません。南阿蘇では湧水池に設置されたキャッシュを拾ったら帰ろうとキャッシュへ向かって一直線。

そこで見たのは‥

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潰れた社殿と

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枯れた水源。

ただのポッカリと空いた穴になっていました。

案内の看板によると、毎分5トンの水が湧く平成の名水100選にも選ばれているような水源なのだそうですが‥この有様はただただなんとも言えないショックを受けるだけです。

熊本方面では地震で水脈がかわったのか地下水の組み上げができなくなって、精密機械の工場が操業停止になっていると蕎麦屋のご主人が言っていました。僕らは地表の変化しか見た目に気づきませんが、地面の下では表に見える以上に大きな変化が起こっているということなのでしょう‥。

南阿蘇のローソンも、棚の1/4くらいが空いた状態でした。例年なら朝から人で賑わっているというのに‥。

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ここはキャッシュがなければくることがなかったと思う、高森殿の杉というところ。中岳と南阿蘇の外輪山がクロスする風景がみられます。

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何度か走ったことのある阿蘇望橋にもキャッシュ。名前からすると阿蘇の展望が良さそうですが、森越しに阿蘇山の先っちょが見えるだけ。

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目的を果たしたので帰ることに‥って、ここ最近いつの間にかツーリングの目的がキャシュ巡りになってしまっている。

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WindowsXPの壁紙のような、やまなみハイウェイの高さの揃った丘の並ぶ風景、さようなら。

この時点で朝7時半。

内牧まで戻れば朝7時から入れるお風呂がありますが、戻りのルート上で‥ということで、

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今日もまた黒川温泉地蔵の湯。朝から確実に入れるお風呂を知れたのは、今回の大きな収穫です。

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顔湯もリピート。

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道の駅小国を経由して北上。

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中津方面へ抜ける最短ルート上に耶馬渓を通る道があります。気持ちの良い景色とワインディングが長く続くので、楽しみながら移動しているうちにかなりの距離が稼げる良いルート。いつもは通り過ぎるだけの道ですが、朝から何も食べていなかったので‥

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だんご汁の看板に惹かれて入ってみました。

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だんご汁を待つ間、辛子漬け椎茸やら、蕗味噌やら、何かに浸かった筍やら、ご飯があると楽しさ倍増しそうなものがちょこちょこ出てきました。だんご汁は野菜を中心とした具材もたっぷりで、食べきれるか?と思いましたが、これがペロリと食べられてしまうんですねぇ。

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店の前の道路が片側通行になっていたのですが、お店の人が新聞の切り抜きを見せてくれました(大分合同新聞 平成28年4月17日記事)。奇岩奇景の耶馬渓ですが、地震で落ちてきた岩が向かいのお店を潰したそうです‥これはひどい‥。もう一つ大きな岩が杉の木に引っかかったままになっているということで、こちらにはセンサーを設置して少しでも動いたら道路の赤灯が回るようになっているそうなのですが‥聞くからに不安な話です。

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このルートは、帰る途中に青の洞門にあるむら上食堂さんにも寄れます。うちの定番のおみやげ。

ここから河口の中津まで出れば、国東半島のすおーなだフェリー乗り場へも北上して関門海峡へも向かうことができます。

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せっかくなので青の洞門をくぐります。途中が狭いので3分間待ちの片側通行。

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ノミと槌で30年かかって掘り抜いたと言われている青の洞門。

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道を間違えて川沿いを走ってしまいましたが、青の洞門のすぐ川下にこんな立派な石橋が。

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行橋市まで戻ってきてハイエースと合流。24時間ちょっと離れていただけなのに、すごく長い間離れていた気分です。

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そして昼過ぎには関門海峡を越えて、さようなら九州、ただいま中国地方。

今回も人と少し違った時間帯で動いたので、まったく混み合うことなくGWの九州を堪能できました。地震の被害はGW直撃で、今だけでなくこれからの被災された地域の皆様の生活がとても気になります。崩れたり壊れたりした箇所も放っておけませんから、まだまだ手を入れていかなくてはならないところは山のように残っているのも分かりました。また、いつ地面が揺れるかも分からない不安からも逃げられない辛さもあると思います。物だけでなく人の心が、できるだけ早く落ち着きを取り戻すよう願うばかりです。

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