690DUKE 安彦良和展

シュタインズゲート(ゲーム)、早朝についにシュタインズゲートに達しました(ゲーム自体はもう3巡目)。

「勝利の時は来た!」に続くダイバージェンスメーター1%越えは、ここに来るまでの大変な苦労を知る人にしかわからない感動だと思います。

島根県益田市にある島根県立岩見美術館で「描く人、安彦良和」展がはじまりました。どんぴしゃり世代な僕は、子供の頃多大な衝撃と影響を受けました。アニメーターとして、漫画家として、監督としてのこれまでを振り返る展示に期待して訪れてみることにしました。

朝活。

昨日まで真夏だったのに、今日からいきなり秋です。メッシュジャケットに薄物インナーという、先週より1段階秋寄りのウェアで山に入ったら気温16度台の連続走行では寒くて震えました。季節は一気に2段階進んだようです。

先日のツーリングで酷暑の中でも湧水を頭からかぶると無茶苦茶クールダウンができる、ということをトニーさんに教えてもらいました。山から流れる湧水は冷蔵庫から直出しの水のようにキンキンに冷えているのです。

するとこれまであまり気にかけずにスルーしていた路傍の湧水が気になり出しはじめます。子どもが生まれたらそれまで全く目に入らなかった小児科が目に留まりだしたり、オフ車を買ったらそれまで気づきもしなかった林道の入り口がやたらハイライトされて見えるのと同じアレです。

お水、全然出てない‥。

と思ったら、コックがあった。湧水を節水すことで、このパイプの先では湧水が溢れかえったりしないのだろうか。

俺の690DUKE、無茶苦茶よく走ります。軽くて速くて面白い。移動する道具じゃなくて愉しむ道具です。

路傍に彼岸花が咲き始めました。例年彼岸花の花よりのつぼみを先に見つけられたら勝ち、見つけられなかったら負けのレースをしているけれど、今年は先週の山の中で咲いている花を見てしまったので負け。

それにしても、毎年計ったかのように同じ時期に咲く彼岸花が、今年は1週間くらい遅れています。昨日まで夏の続きのような暑さが続いていた影響でしょうか。そういえば昨年も長いこと彼岸花を楽しめた年だったように思う。

これ、つぼみになる前の彼岸花の芽。花を見つける前にこれを見つけられたら優勝なんだけどな。草むらの中では全然目立たないので本気にならないと探せません。

以前、冬に何かの展示をみようと訪れるつもりだった島根県立岩見美術館。その時は雪で峠越えできずに諦めました。

美術館前の道は益田を訪れた際に何度か通っていますが、訪館は初めて。表にポスターなり幟なりそれらしいものが全く掲示されておらず、間違えたのかと思いました。長い直線と大きな平面でできた構えが要塞のよう。入り口も本当にここで良いのか、点字ブロックがなければ疑ったところ。

中に入っても案内らしいものがないのでやっぱり不安になります。なんか、媚びてないというか潔いというか、「探さなくてはならない」という探究心をくすぐるというか、そこが面白い。

あ、やっとそれらしいものを見つけた。

中央に正方形の広い空間を抱えた大きな建物は妙に荘厳な雰囲気です。後になって知ったのですが、この建物自体は島根県芸術文化センターグラントワという、美術館×劇場という「芸術基地」を謳っている施設だそうです。

床のフローリングもテラッテラのチーク材だろうか、足元から高級感剥き出しています。

安彦良和さんの回顧展にあわせて、地元石見出身の山根公利さんの作品展も開催されていました。

カウボーイビバップのソードフィッシュのバランスの悪いカッコ良さに受けた衝撃は、スターウォーズのXウイングを初めて見た時のソレに並ぶものがあります。ああ、日本にもこういうの描けるデザイナーが居るんだ‥と驚かされました。

開館時間にあわせて9時前に到着したのだけれど、グラントワの開館が9時なだけで、美術館は9時半開館ということでした。幸い美術系の図書は1週間通っても読みきれないくらい置いてあるので、30分なんてあっという間に過ぎます。

で、展覧会1巡するだけで、3時間‥。

僕としては宇宙戦艦ヤマト、ライディーン、ザンボット3、ガンダム(Z以前)、ゴーグ、クラッシャージョウ、アリオン(漫画)、THE ORIGIN(漫画)が世代としてど真ん中、特に初監督作品のクラッシャージョウが好き。

大きな絵画作品と違ってアニメ/漫画中心の小さな作品の展示ということもあって、鼻の先まで作品が来るまで近づいて(<老眼だからなだけではない)鑑賞できることもあってか、ペン先筆先の動きの先の先まで観察しました。

絵って他の芸術と違って作家のかけた時間を凝縮して一瞬で捉えられる芸術です。それでも50年を振り返る膨大な量の展示を捉え続けたら3時間もかかりました。50年分っていうのは本当に分厚い。

この手のクリエイターがあとひと世代も交代したら、デジタル化が進むことでこうした「原画」の「図版」で回顧展を行うようなことは無くなってしまうのだろうか。子供の頃に穴が開くほど見たポスターや雑誌の表紙の原画の絵肌を、40年経って唸りながら目の前で見るという経験は、この先の世代ではできなくなってしまうのだろうか。

安彦良和さんのバイオグラフィを追いかけてみると、あれだけ名前が売れている方なのに成功したとは必ずしも言えない人生だったことが分かります。自身が監督をした80年代終わり頃の作品は興行的に当たらず、アニメから手を引くことになってしまうからです。ゴーグもアニメのアリオンもアニメのヴィナス戦記も正直ストーリ―を含めて作品的に面白いかというと面白くはありませんでしたし、今見ると「真面目で恐ろしく丁寧に作ってるなぁ‥」というため息のような想いが漏れる作品ではありますが、アクションが目立ちすぎて見ていて疲れてしまう。漫画に転向されたのも、チームワークから離れて作品に対する責任を全て自分で背負おう、という思いからなのではないかと感じました。強烈に巧い方なのに‥それが仇になって器用貧乏な結果になってしまった方なのだと思います。

何にしても、早朝のダイバージェンスメーター1%越えの感動が、分厚い何かですっかり上塗りされてしまいました。

秋の日本海。空気が綺麗な日だったので水平線が色濃くくっきり。

たまたま訪れたここは柿本人麿終焉の地でした。

碑文を読むと益田沖の鴨島という島で亡くなったとあります。沖合1kmのところに400m×600mほどの海蝕台があるのが分かっていて、これが地盤沈下する以前に鴨島だったのではないか、というロマンのある話。

蕎麦が食べたくなったので、ポツンと建っている蕎麦屋へ。店は狭いのにお客さんひっきりになしに出入りしているお店でした。

天ぷら蕎麦、と頼んだら暖かいのが出てきました。頭の中では冷たいざる蕎麦のつもりで頼んだんだけれど、天ざると言わなくちゃいけなかったのね。

帰りに羅漢高原へ上がってみました。いつも朝訪れる場所なので、ここから見えるのは霞の中に消えていくどこまでも続く山並み‥と思っていた方面には海があることを知りました。海の向こうに見えるのは方角的に周防大島か。

こちらも普段は朝に訪れる三倉岳裾野の田んぼ。秋色と、稜線がくっきりと見える秋の空気。気温30度に届かない天気のなか、幹線道路を流しているだけで楽しい往復だったな。

日本海へは、本当にチョンと触れるだけの行程でした。

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