690DUKE 夏の温泉ツーリング

夏に温泉!?バカなの?死ぬの?

と言う声が聞こえてきそう。2024年夏のバイク遊びのトレンドは、早朝家を出て島根県の日本海沿いや三瓶山周辺の温泉に入って帰ってくる半日ツーリング。特に三瓶山周辺の温泉は加熱や加湯していなければ35度前後の温泉があるので、夏の温泉ツーリングにはちょうど良いのです。この日も新しく知ったぬる湯の温泉を目指して北上します。

途中で前々から気になっていた安芸高田の円筒分水へ立ち寄ってみました。一度作ったら仕事をし続ける構造物、広島県内に円筒分水は点在しています。ここはこれまで僕が見た中でも結構大きいです。

先週、この田んぼを同じ時間帯で見ました。その時は朝露と蜘蛛の巣で見たことのないような不思議な景色が広がっていました。今日は‥まったくもって普通に朝の田んぼの風景です。こういうの、ほんとタイミングなんですね。

元ニュージーランド村の前を通ったら「ドッグラン」と書いてあったので寄ってみました。ここ、無料なかわりに管理人がおらず、24時間いつでも利用できるようです。わざわざ来るには遠いけれど、うちは庄原に行くことが多くてここは通りすがりに寄れるので、麦茶連れで是非訪れてみよう。

広島県で唯一日本の滝100選に選ばれている126mの三段滝、ということで随分前から気になっていた常清滝を訪れてみます。

ハッピーベルと書かれた熊よけの鐘は予想を超えて音がデカくて、熊じゃなくて僕がビックリ。ここから400mほど歩きます。

高さ100mを超える滝って、写真じゃ伝わらないかもしれないけれど結構長い!細いけれどすごい迫力で、とても見応えのある滝でした。さすが広島県唯一の滝100選、素晴らしい。

滝下から見上げると滝の長さが圧縮されて短く見えてしまうので、この滝は展望台から見るのがお勧めです。

ここもいつか訪問しようと思ってマークしていた、河原の間欠泉というところ。

噴出物で千枚田ができています。

こちらも千枚田。

こちらも千枚田。どうしてこうなるのかは何かで読んだけど忘れちゃった。

夏空と田園風景って何が良いのかな、色合いかな。走っているだけで幸せになれる瞬間があります。なんでもないここで幸せを感じちゃって、もう本当に僕の幸せはこれで良いんじゃないか、というくらい幸せになれました。

こちらも気になっていた酒谷の湯。無料の露天風呂ですが‥

いやいやいやいやいやいや、野趣たっぷりすぎだろう。

これで温かいお湯なら入浴も考えたけれど、残念ながらほとんど水。溢れた水が川にそのまま流れていく流路を見る限りではいろいろ含まれていそうなんだけれどな。でもこのあたり、ヤブ蚊がすごかった。

本日の目的地の千原温泉は、先日亀の湯で他のお客さんにぬる湯をテーマに話をしていたところ教えていただきました。建物は奥まった谷間にひっそりとありました。

親戚の家に遊びに来たみたい。

一朝一夕には醸すことのできない、使い込まれたものが放てる何かが伝わってきます。温泉に入るツーリング、といってもどんな温泉でも良いわけではなく、こういった味があったり、風情があったり、珍竹林な感じだったりするのを含めて楽しめる温泉を巡りたい。

浴室内は、さらに味とか珍竹林とかそういう問題じゃない雰囲気。そもそも、湯が湧く土地の真上に建屋を設けてあるのです。浴槽の中には妙にしなるスノコが敷かれて、その下から炭酸の泡を含むぬるいお湯がポコポコと湧いています。

源泉掛け流しというよりは源泉湧き流し。

平日の朝一番、見ての通りで貸切でした。大きな泡はプクプク、小さな泡はピチピチと音を立てています。お湯は結構塩っ辛い。

ぬる湯なので寒い季節はこちらの五右衛門風呂も涌かして身体を温めて上がれるそうです。それはとてもありがたいですね。

三瓶山へは、地図上では千原温泉から真北に三瓶山まで続く道が最短ルートですが‥ヌタヌタの廃道でした。これを頼りにしていたので無茶苦茶遠回りすることになりました。

でも、良い風景見られた。

今回は入らなかったけれど、亀の湯さん。なんだかんだともう3回目の訪問。

最近何度も来ているので、西の原も天気によって随分と爽快感が違うのがよくわかります。今日は稜線もくっきりで抜群に爽やかです。

先週発見した日本海が見張らせる高台。瀬戸内海からやってきて、ここまで日本海に近づきながら海岸まで行かないのは大変贅沢なのだけれど、行ってしまうと帰ってくるのが面倒くさいというのが先に立っているだけだと思う。

日御碕の見える道路脇の展望所。こちらから日御碕が見えるということであちらからも三瓶山が見えます。あちら側から見ると三瓶山はポコっと飛び出ています。昔から目立っていた山だったから、国引き神話の中に登場するモチーフになったんだな。

田舎では廃校になった小学校が集会所などとして利用されているのをよく見かけます。こういうのを通りすがりに目の端に一瞬だけ留めるだけではもったいない。取り壊してしまうともう二度と見られなくなる昭和の風景ですからね、大事にしてもらいたいし、見られるうちに見ておきたいです。

下道を走るのが少々面倒くさくなったので、ちょっと遠回りして松江自動車道の入り口になる雲南という街までやってきました。歴史を感じる街並みが、ちょっと魅力的。

中国地方の山中を走り回っていると、たたら製鉄を行っていた跡地が思いの外たくさんあることを知ることになります。この街には鉄の歴史博物館があるというので、涼むついでに立ち寄ってみました。

入り口に鉄塊。

中は直接的にも間接的にも製鉄に使われたたくさんの道具が綺麗に展示されていました。

磁石がくっついてるよ。

近隣のたたらと、それぞれの場所で製鉄された塊。

蔵が展示室になっていたりするのですが、これはちょっとぎょっとした。

日本刀やら茶釜とか、僕らは製鉄の先にあるモノを目にすることがありますが、砂鉄がモノの元の玉鋼などになるまでのプロセスは大変な集団の力とノウハウが必要だということがよく伝わりました。

ここで昔ながらの製鉄が最後に行われたのは僕が生まれた頃だそうで、最後の製鉄を記録したドキュメンタリー番組を受付の方にむちゃくちゃ勧められました。その当時で古いたたら製鉄を実際に行ってきた頭になる方が80代とかで、この方々を失ってしまうと本当の昔ながらのたたら製鉄はもう終わってしまうことになり、道具だけじゃなく脈々と人が繋いできた工法なのだということがよくわかりました。

ということで、遠回りした上で寄り道までしたので家に帰るのが遅くなりました。これ、コンビニの中から撮ってます。暑くてもう、ダメ。お昼ちょい過ぎには帰宅する、くらいの行程じゃないと真夏のツーリングはもう楽しくないね。

サクッと温泉に入って、サクッと帰ってくる。夏は欲張っちゃだめ。

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