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出産

  • 2008-01-30 (水) 18:59
  • 経過

火曜日の検診で4000gを超えたということと、Ryocoの尾骨が産道側に曲がっていて出産時に障害になるかもしれないということで、選択としては「がんばってみて、ダメだったら手術」という方向で水曜日に陣痛促進剤を打とうということになりました。その水曜日。

午前2時

Ryocoが「陣痛きたかも」と起きました。
「夢の中でモンスターに変身して、体のなかに皿を取り込んで、そのまま人間に戻ったら体の中に皿が残ったままで、この皿どうしよう‥と思っていたら皿が割れて痛みが走ったのが陣痛だった」と寝言のようなことを言っています。
とりあえず病院に電話。5分間隔になったら病院に来てください、ということで陣痛の間隔を測ると最初は不定期でしたがあっというまに整ってきて1時間ほどで5分間隔になりました。

午前4時
日中だと自宅から広島市内の病院まで1時間くらいかかりますが、夜はガラガラスイスイで30分ほどで病院に到着。移動中もかなり正確に5分ごとに陣痛がきていました。
病院に到着したら、まず施設の案内でした。病棟、処置室などをRyocoが案内されている間、自分は薄暗い廊下のベンチで半分ウトウト。

午前5時

陣痛室に通されました。6畳の部屋で、半分に仕切って布団を2つ出せるようになっています。
子宮口が完全に開くまでがんばる部屋なのだそうです。終始貸しきり状態で6畳独占させていただきました。

午前6時

お腹に巻いているのは赤ちゃんの心音と母親の陣痛の度合いを隣室でモニターするための装置です。お腹の中で赤ちゃんが動くので、たまに助産師さんがやってきては位置の調整をしていましたが、最初の数時間の動きといえばそのくらいで、あとはひたすら定期的にやってくる陣痛に「ふー‥ふー」と長い呼吸をして力まずに耐える時間です。旦那はひたすら腰をさする役です。

午前8時

満面の笑みで看護師さんにゆったりと挨拶しながらたみちゃん(Ryocoの母)登場。
この時間から陣痛の痛みが激しくなって、「ふー‥ふー‥」という吐息に声が混ざりはじめました。
背中や腰をひたすらさすります。
たみちゃんが食事を持ってきてくれたので、自分は頂きましたがRyocoは食欲一切なし。それどころじゃない様子。

午前9時
痛む場所が下がってきたと、さする場所が背中というよりはお尻のすぐ上辺りに変わりました。赤ちゃんが下がってきてるということだそうです。

午前10時
同じ姿勢だと中の赤ちゃんが動きにくくなるので、椅子に座ったり寝返ってみたりと姿勢を変えてみます。もう動くこと自体がしんどそうです。

午後12時
12時になったら先生が回診してくるということを望みに痛さに耐えていましたが、12時を超えても先生はやってきません。12時40分くらいになってやっと最初の診察ですが、まだ子宮口の開きは5センチくらい。10センチで全開といわれているのでまだまだなんだそうです。Ryocoはかなりしんどそう。

午後1時

この時間になると、陣痛の波はあるのですがピークを過ぎても痛みがひかなくなって、痛さで頭がクラクラしてきたり、痛さで気分が悪くなって嘔吐してみたり。でも、急激に出産の体制に進むとホルモンのバランスが崩れて嘔吐することもあるそうで、これも悪いことではないことなのだそうです。本人は痛さに耐えられないからもう切ってくれと懇願していますが、できるところまでがんばってみましょうとのこと。たみちゃんも自分もひたすらさすり続けます。自分は半分眠りそうになりながらさすっていました。

午後2時
かなり子どもが下がってきて、もうお尻の穴の周りを押してやらないと子どもが出る出ると言っています。自分とたみちゃん、看護師さんの3人でさすったり押したり励ましたり。

午後3時
検診した結果、もうかなり下がってきているのだけど、お尻の側の子宮口が開ききっていないのであともう少しといわれてしまう。痛みがひかなくなってから7時間、深呼吸をし続けて痛さに耐えているわけですから、体力的にも精神的にもダウン寸前。それでももう少しという言葉に励まされてがんばってみることにします。

午後4時
検診は隣の分娩室まで移動して検査台に載り、出産OKならそのままそこで出産ということになるのですが、そこまでの移動も両脇を抱えられての移動です。子宮口はどうしてもお尻側が開かず。先生は経膣分娩(自然分娩)を目指してここまで引っ張ってきたように思うのですが、ここへきて急に帝王切開に傾いてきた様子。Ryocoもかなりぐったりして「ごめんね」と言われましたが、尾骨のこともあって「待てば確実に出てくる」というわけではないので帝王切開に変更しました。
手術だと立会いはシャットアウトだと思い込んでいてすごく残念に思ったのですが、今回カメラだけでも設置させてもらいませんか?と聞いてみると「旦那さん、入りますか?」とあっさり言われてしまいました。準備が整うまで手術室の外の待合所で待機します。

午後5時

手術開始です。半身麻酔で普通に会話できるRyocoが寝ています。胸のところに遮蔽版が置いてあって、Ryocoから手術の様子は見えなくなっています。下腹部だけ丸く穴の開いたシートで体は覆われていて、大きなおなかだけがボヨンと出ている状態。おなかの両脇に男性の執刀医、それに女性が一人道具を渡したりバキュームをしたりする役です(そのほかモニター管理やガーゼの処理などをする人で4名いらっしゃいました)。おなかの峠の向こう側で作業をしているので、頭側からだともうひとつ見えづらいのですが、三脚をビデオカメラにつけていたので、持ち上げて高い位置から手術の様子がすべて撮影できました。

普通におなかを切っていきます。横に10センチ。皮下の脂肪などが見えます。電気系のメスで焼き切っているようで、焦げ臭いにおいがします。そのままどんどん切っていって子宮を切ったと思われるところで、血液の混ざった液体がドサっと出てきました。多分羊水ですね。
半分子宮口に頭を突っ込んだ赤ちゃんをどうやって出すのかと思ったら、ホースのつながった直径15センチくらいの円盤をおなかに突っ込んで、後ろのサポートの女性が「‥40‥50‥60です」と言ったとたん、先生がグイっと引き上げました。円盤は吸盤だったようです。髪の毛が見えました。そのままグリグリ左右に揺らしながら引っ張り出したら、切り口から頭がポコンと出てきました。うまい言い方が難しいのですが、ドラえもんの四次元ポケットから頭だけ出てきた状態です。手を突っ込んで体を持って引っ張りあげると、体全体がズルズルッとでてきて「キュワっ」と初めてのあかちゃんの声が。ずっと羊水に浸かっていたので体の色は白っぽい紫色をしていました。なんだかここで一安心してしまったのですが、その後続いてへその緒が出てきました。おへそから10cmくらいのところをピンチで挟まれで切断。「お坊ちゃま」とちんちんをこちらに向けて見せてもらったあと、赤ちゃんは足元の箱に連れて行かれましたが、連れられる最中からビービー元気にないています。よかった。ほんとにほっとしました。
Ryocoに「見る?」と聞いたら見ると言うので、ビデオのモニターをRyocoから見える向きにして撮影していたのですが、赤ちゃんがでてきたのを見た第一声は「うわ‥でっかーい」でした。開腹されている自分自身の映像を見るって、どんな気分なんだろう‥。
あかちゃんが出てきたところでほんとに気持ちの上ではひと段落ついてしまって、なんだか終わり。って思っていたのですが、先生はへその緒をずるずる引っ張って、引っ張りつくしてテンションがかかったところで、グリグリ引っ張って胎盤を取り出しました。片手に余る大きさでかなり大きいレバーのようなものでした。これも引っ張りつくすと薄い膜がついていたのでこれを切断。またひと段落した気分で、ここでまたなんだか終わり。と思っていたら‥実はここから先が長いんですね。

帝王切開での出産シーン。
※流血映像に弱い人注意!2分30秒

まず流れ出た血液などの洗浄をするのですが、先生、おなかに手を突っ込んで何をするのかと思ったら左右に卵巣(らしきもの)のついた子宮をゴッソリ取り出しておなかの上に載せるじゃないですか。ホントに驚きました。おなかの中や子宮の中にガーゼを突っ込んで洗浄消毒をしながら、子宮からでてきた茶色っぽい黄色っぽい液体を示して、「赤ちゃん、おなかの中でウンチしていたみたいですねー」とか言っています。先生が両脇に立っていたのは、それぞれの位置から見えない部位の洗浄などをしたり、手が2本では足りない作業を手伝ったりするためだったようです。使ったガーゼは女性に渡されて、升目を切った机にガーゼが並べられていました。最初は意味がわからなかったのですが、使用した枚数と取り出した枚数が同じかどうかを確認していたようです。
体を拭いてもらってそれなりにきれいになったBABYがバスタオルに包まれてつれてこられました。Ryocoは手に触れ、自分は頭を触らせてもらった第一印象は‥かなりしっかりした赤ちゃんです。そのまま新生児室へ連れて行かれました。手術の方はガーゼの数のカウントが大丈夫という連絡と共に、縫合が始まりました。相変わらずお腹の上に載っている子宮の切り口を指して「ここが一番薄いんですよねぇ。幕越しに赤ちゃんが見えるんですよ」とか説明してくれながら手際よく針と糸で縫っていきます。縫い終わったらお腹の中に戻すのですが、これまたギューギュー押し込んで入れています。収まりを整えるとかいうことはしないで押し込んでしまったるすぐ次の縫合が始まりました。人間の身体って結構融通きくのね‥と思いました。午前2時からがんばっていたRyocoはぐったりきていて半分寝てしまっています。途中気分が悪くなったと言ったら肩に注射を1本打たれていました。体の中は最終的には溶けてなくなる糸で縫合して、最後のお腹の皮は少し引っ張り集めてホチキスでパチンパチンと止めて、上にテープを貼っておしまい。その後体にかけてあったシートを外して体を拭いて、懸架に載せられて病室へ連れて行かれました。

午後6時すぎ

病室のRyocoはかなりお疲れ気味だったので、軽く会話をするだけでRyocoのご両親と帰ることにしました。
新生児室では窓ガラス越しに保育器に収まったベビーと対面。携帯電話で子どもを撮影している爺婆にものすごい新鮮さを覚えました‥。
まだ名前のない子どもは、胸が鳩胸っぽく張りがあって、ほっそりと、しっかりとした赤ちゃんでした。あんまりしっかりしているので、ちょっと新生児っぽくない感じ。結局生まれた体重は3700gでした。顔は生まれたてなのでヘチャムクレですが、手足がかなりしっかりしなやか、特に手の指がものすごく美しい!体つきはRyocoに似たのかも。大きくなりそうです。

妊娠から生まれるまでの経緯は順調そのもので、本当にありがたいことに五体満足で出てきてくれました。これからの後天的な成長は僕たちにかかっているわけです。責任を感じつつ、ステキな人生になるための手助けを全力でしてやりたいと思います。

コメント (Close):4

tame 08-01-31 (木) 21:22

  ☆☆おめでとうございます☆☆
 大変なお産だったみたいですね!!Ryocoさん本当にお疲れ様でした(つがたくさんも!)。これからBABYの成長が楽しみですね♪

 帝王切開って、立ち会えるんですね。すごーいっ!!

おかぢむ 08-01-31 (木) 22:12

生まれたてとは思えない程しっかり身体が出来てる感じですね 笑

カブ 08-01-31 (木) 22:53

一年前のハラハラドキドキを思い出しました

足、でかいですねwww

史音 08-02-01 (金) 1:17

どこにでもある出産風景なのに、こうやって順番に読んでいくとドキドキします。
自分の母親もこんな体験をしたのか、自分もいつかこんな体験をするのか、などいろんな気持ちで胸がいっぱいです。
苦しいぐらいです。
でも、聞けて(読めて)良かったです。
とても貴重な追体験になりました。

皆様おつかれ様でした。
そして、素敵な体験記をありがとうございました。

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