GROM 似島攻略

天皇誕生日。仕事上の不備で朝一番に出勤することになってしまったので、ついでに宇品から船に乗って似島まで足を伸ばしてみることにしました。宇品港から大人は片道440円。原付は310円。

似島。広島からみるとほぼ左右対称のきれいな末広がりの三角形に見えることから、似島の最高峰は「安芸小富士」と呼ばれています。朝は30分間隔で出ているフェリーに乗って20分の船旅。僕が住んでいる廿日市でも広島市街まで車だと20分以上かかることを考えると、何気に便利な島なんじゃないか?と思います。20分の船旅は、船内で島が紹介されている冊子などを見ているとちょど良いタイミングで到着する感じ。

島に渡った目的は、この島全体に蒔かれている8個のキャッシュを拾って帰ること。港に一番近いキャッシュは登山道の入り口で、GROMでギリギリ登っていける急傾斜地の先にありました。いきなりかなりの冒険気分が楽しめます。

スポイラー(ネタバレ)的画像で大変申し訳ありませんが、2個目は路傍のいかにも怪しい岩の間だったり‥

3個目はテニスコートの脇にちょこんと置いてあったり‥と、置かれ方やコンテナの形にバリエーションがあってとても面白い。

平地のキャッシュを獲り終えて、標高278mの安芸小富士山頂へ向かいます。アプローチ方法はは何通りかありますが、似島学園から登るルートを選びました。序盤は傾斜のきついボロボロ崩れる花崗岩肌の山道。振り返るときらめく海面と瀬戸の島々、広い空。

場所によっては塹壕のように掘り込んだ谷間を歩くところが続きます。これはこれで道に迷いようがなくて良いですね。

ロープが這わせてあるところもありますが、正直歩きにくいのでその脇の普通の道を歩きます。というか、このルートは使われていないようにも見えます。

船で見たガイドには登り50分と書いてありましたが、休むことなく登り続けて30分少々で登頂。息が白いくなるくらいの気温だけど、汗はかきますね。最後は長袖Tシャツ1枚になりました。

遅れて登ってきて、ワイン瓶を取り出して祝杯をあげはじめた集団を尻目にキャッシュを探し始めましたが‥ミツカラナイ。自分の前に探した人もDNFって書いていたので怪しいとは思ったのですが‥。廿日市方面はとても綺麗な景色が広がっていますが、キャッシュが気になって風景をみることに没頭できない‥。

広島の西区方面。広島県自動車学校や元広島西飛行場がある洲の部分。

広島市街中心部を最大望遠で。そごうが見えますね。普段持ち歩いているTZ60というコンデジですけど、直線距離でざっくり測ったら8km以上離れているのに、屋上でようかい体操とか踊っている人がいたら見えてしまうくらいの解像度。頼りになるカメラです。

山頂から東の似島学園側。手前に中学校のグラウンドが見えます。ぽつんとある島は峠島で、島を中心にして牡蠣筏が放射状に並んでいるのが面白い。

そして失意の下山‥登るときは気がつかなかったけど、尾根伝いを下っていく先に折り重なるように広がる島並みもとても綺麗でした。この先の山道で最後のキャッシュを見つけて島巡りは終了です。

朝8時30分の宇品発のフェリーに乗って、山を降りてバイクに戻ったのが11時30分。とても手頃で気持ち良く楽しめる似島キャッシュハンティングでした。島が今のキャッシュの配置のままなら、市内から自転車を積んできて廻るのがちょうど良いと思います。

朝は5時起きで朝食を食べていたので、本土に戻る前に食事でも‥と思ったら食事ができる店が全くみあたらず、往路の船の冊子に紹介されていた「みなとや食堂」さんへ行ってみました。「営業中」の札がガムテープで貼られているけど、窓にはスモークシートが貼られて本当にやってるのかどうか外からは全然わからない食堂です。

ガラガラーっと引き戸を開けると‥昭和にタイムスリップ(液晶テレビあるけど)‥。「食事、できますか?」と尋ねたら、昼からビールの缶を机に並べている常連さんらしいおばさんが「できるけど、作ってもらえるかどうかわからんよw ケラケラケラ」と。店の奥からはいい匂いがしてくるのに、はて?と思ったら、出前の焼き飯を全力で作っているので今手が離せないんだとか。「次の船はどうせ13時だから、12時半ごろまたおいで」と言われてしまいました。えぇーっ、次の船13時なの!?(<しかも宇品へ直行ではない)昼間は便数が極端に少ないようです。

仕方がないので島内巡り。いつもは2月のロードレースで反時計回りに走るので、時計回りに。海の水は広島のすぐ対岸だというのに透明でとても綺麗です。

お店が少なすぎて「商店街」という状態が構成できないような島ですが、島一番の住宅密集地の一角にあった駄菓子屋さんは、よくある駄菓子屋風駄菓子屋ではなく、民家の土間に色とりどりの商品を並べまくったホンマもんの駄菓子屋。

店の奥の住居空間からでてきたおじいさんが、スツールに座って「何にするかね」と。まさに昭和。僕が子供のころ過ごした田舎の駄菓子屋そのもの。商品の並べ方だって、もう、懐かしすぎます。

駄菓子屋ってお菓子だけじゃなくておもちゃやプラモデルも売ってましたよね。バイクのプラモデルは20年前の1994年モデルのレーサー。ざっと見た感じ一番古いモノはイデオンの雑魚メカでしたが、これはもう30年モノでしょうか。もう、売るためというよりはひとつひとつが昭和世代の僕たちの心を鷲掴みにする店の彩りとして意味を持っているように思えます。

店のおじいさんの話では、ここで50年続けているお店だそうです。今は島に子供がいなくなってしまったのでお客も減ってしまったとか。僕が店の構えに感激していると、「こんなのどうよ」と転がすとガーガー鳴く怪獣のおもちゃとか、初代タイガーマスクのレプリカマスクとかいろいろ見せてくれました。アマゾンで注文すれば島でも自宅まで最新の商品が届く時代、僕はもうしばらくこのまま頑張って店ごとお宝鑑定団に出品することを強くお薦めしたいです。

帰りの船で食べようと、いくつかお菓子を買いました。そうね、昔はバーコードなんて付いていなかったし、ひとつひとつの商品に値札貼ってたよね‥。こんなことされると今はゴミの分別に困るよね。消費税とかどうなってるんですかね。合計で410円分買ったら、400円にしてくれたし。短い時間でしたが、なんとも言えない衝撃を受けたお店でした。

さて約束の12時半にみやとや食堂さんに戻ってみました。焼き飯騒動は終わっていましたが、次は焼き飯作りすぎて米がない騒動になっていました。壁の張り紙に中華そばがお薦めだと書いてあったので、それほど期待もせずに頼んでみたら、美味い。美味いんですよ。あっさり系ですが、スープは最後まで飲み干してしまう美味しさ。麺もコシのある中細麺でとても好み。退店前に雑誌の切り抜きらしい文章を読んでみたら、いろんな野菜や果物を長時間煮込んで作っているスープなのだとか。ちょっとまた食べに来たい不思議な美味しさ。

お店は80歳を超えるという小さなおばあさんが一人で切り盛りされています。調べてみたら1967年に開店、店は僕より年上。いろんな人がここの中華そばにはヤられていました。次は焼き飯も頼んでみよう。おつりをくれたおばあちゃんの手がプリプリツヤツヤしていたのが印象的でした。

みかんは隣に座っていたおばちゃんが「できるまで、これでも食べて待っとき」と、くれたもの。

いやぁ、広島から本当にすぐお向かいの島はガラパゴスだったという、予想外に驚きの多いキャッシュハンティングツアーでした。

この後広島市街で新設のキャッシュや取りこぼしていたキャッシュを巡って帰りましたが‥島では7F1D、市街では2F4Dという結果で、空は晴れ晴れとして最高のお天気だったのに僕の心は曇り空。

4 Comments

フリスクが山口仕様のキャッシュコンテナにしか見えません。
身近で新たな発見があるのもジオキャッシングの楽しみですね。
山登って見つからないのは泣ける・・・

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>柏くん
フリスク、骨の髄まで使えていいですねw
登山はこんど家族と登るための下見も兼ねてるので、1回目だけDNFっていうのはまぁ、許せますわ。

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エリザベス・hideyo

なっ! ラーメン 絶対ウマイですよ・・次回は絶対食べよう・・・・つか!GC2K2KDにバイクで上がられたとは!! 上がれるのですね・・・・・・ビックリです・・

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>エリザベスさん
ラーメン、是非いってみてください。場所は港を降りた正面にある神社の裏手です。港側の看板が壊れています。
GC2K2KDは切り返しが大変そうですから、大きいバイクでは行きたくないところですね。

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