実家帰省5日目 それぞれの東京

今年の帰省の大きな目的はふたつ。ひとつは「4年振りに上海から帰国した妹家族と(妹の結婚・出産以来)初対面」。これは昨日埼玉県に住むことになった妹家族の家へお邪魔することで実現しました(旦那様は海外出張中で今回もお会い出来ませんでした)。もうひとつの目的は「嫁と姑が合羽橋でお買い物」。というわけで、平日の日中、車で合羽橋まで行って母とRyocoさんを降ろした後、子どもたちと一緒に東京遊びです。

どこに行こうかと調べてみたところ、東京都現代美術館で子ども向けの展示をしていたので、そちらへ行ってみることにしました。

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普段は三つ目通り添いの表の入口から入りますが、今回は事前に調べていた駐車場が裏口の方だったので、隣接する公園から入る南東側の入口から入館しました。入口前にある鉄で作られた屋外展示物は時間制で遊ぶことができるもので、たまたま丁度利用可能な時間。上へ登る階段が5カ所もあるオブジェを登ったり降りたりして、これだけでも子どもは結構楽しめます。

企画展「ワンダフル ワールド こどものワクワク、いっしょにたのしもう みる・はなす、そして発見!の美術展」は、子どどもが触れたり参加したりして体感できる作品が作家ごとに用意されていて、写真撮影もOK。子どもがキャーキャーいって遊ぶものだけじゃなく、暗い空間でじわじわと変化する作品をじっくりと鑑賞しながら作品の空間に鑑賞者全員が取り込まれていくような作品など、幅広い趣向の作品が展示されていて子どもも大人も飽きることがありませんでした。

ま、子ども的には難しいこと抜きで楽しめればそれでOKなんですけど。あらゆる年齢層対象の作品が用意してあって、ムスメもご満悦。

作品の前に立つと、自分が作品の中に登場する壁面一杯の絵本の世界も‥

インタラクティブな‥とか、鑑賞者が表現者となって‥とかムズカシイこと抜きに、はしゃぎ回って楽しめる良いオモチャ。

スナップで繋いで遊べる靴下のようなものやそれを繋げられるクッションのテキスタイル作品も、この年齢の子どもたちが集団になるとはしゃいで遊ぶ遊具にしかなっていません。本当は黙々とスナップで繋いでいくことで新しい造形を楽しむものなのでしょうが、子どもたちのこういう反応そのものも作品の(安全性を含めた)形状に反映するものなのだろうと考えると、「作家さんの作る物に反応する子どもの対応が作品に反映する」という行って帰ってまた戻る的な見方を愉しむのが現代美術館的な大人のものの見方と言えるのではないでしょうか。

常設展は常設展示室を使っているのに常設展ではありませんでした。来年開館20周年(<驚き!)を迎えるということで、20年を振り返る企画「開館20周年記念 MOTコレクション特別企画 クロニクル1995-」。3期に分けた展示の第1弾で、開館当時の1995年に焦点を当てた展示。いつものあれね、といった作品群ではなく「バブル崩壊後の社会不安の蔓延」「阪神淡路大震災」「オウム真理教事件」「戦後50年」「インターネット元年」といった世の中の(というか日本の)大きな動きを反映するような「不安感」「再構築」「ITの入口」を感じる、初めて見る作品が数多く展示されていて、楽しめました(<僕は)。

企画展がもうひとつ。「ミッション[宇宙×芸術]-コスモロジーを超えて」は、宇宙をテーマにした芸術・科学と表現・アートとエンターテインメントなどなど、ロケットの現物からスピリチュアルな映像作品まで、もう宇宙っぽかったらなんでもアリな作品の数々。

巨大な吹き抜け空間に展示されていたのは映像作品は8基のプロジェクタで壁面に大迫力で投影されていた宇宙っぽい映像。体感・体験できるものも多くて、年齢に関係なく楽しめる展示でしたが、やや芸術性というよりも宇宙に関わる歴史っぽい博物館的な要素も強くて、「新しい芸術的価値観の発見」という楽しみ方よりは「事実の確認」というものも含まれる内容で、若干の違和感も。ただ、宇宙開発そのものが新しい価値観の発見や創造だというならば、それはそれで現代アートと呼べる人類の営みなのかなぁ‥と考えてみたり。

展示の一番最後にあった作品、これは面白かった。ものすごい伸縮性の高いテキスタイルでつくったハンモックと言えば分かりやすいかも。子どもの体重だと真ん中あたりでは足が地面に着かないので、自分を支える基準を失ってもがきながら前へ進むことになる(その辺が宇宙的というのでしょう‥)作品。ナルキは2回も並んでチャレンジしていましたが、子ども向けの体験型作品かと思っていたら後で大人も体験できるものだと分かって、ちょっと残念。さすがに赤ちゃん連れじゃ体験出来ないじゃないですか。

グニャグニャのチューブでもがいているムスコ。くそう、楽しそう。体験してみたかった。

あっという間にお昼を過ぎてしまっていたので、館内で食事。東京都現代美術館の軽食喫茶では東南アジア系の食事ができます。メニューを見たら「え、これで1000円?」と思うような写真でしたが、実際に出て来るものは箸やスプーンやフォークや手づかみを交えながら簡単に食べられないような作品‥おっと、料理なので、食べ応えは結構ありました。

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結局、1歳児・小学1年生・を連れた父親の各々が楽しむことができた展覧会の数々でした。開館20周年おめでとうございます。

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嫁と姑の合羽橋行脚はまだ終わらなかったので、上野の国立科学博物館へ。
特別展「太古の哺乳類展」は「えー、恐竜じゃないのぉ?」という小学生の反応でしたが、ホンモノの化石や骨格標本は小学生にも相当のインパクトがあったようで、「本で知るのではなくて、本物を見ることが出来たのがすごいと思った」と1年生にしては上出来な感じ方をしたようです。

科学博物館はその規模と内容があまりにも凄すぎて、特別展そのものも博物館の展示の一部に見えてしまうほどです。何年か前に大幅な改修が行われて以来、展示物もただ並べているだけじゃなく教科書的に分かり易く整理・解説されたものになりました。常設展示はいつか子どもたちと、と思ってた360度全天球映像の「シアター360」を最優先で見ましたが、その後は時間の関係で早足で巡ることになって、じっくりと学ぶことができませんでした。それでも小学生ともなるとカハクはかなり楽しめたようで、こりゃまた来なくてはいけません。

動物大好きなムスメも、剥製部屋に大興奮!

上野公園で合羽橋組と合流して帰路につきました。超・超充実でみんな大満足の1日。

今回子連れということで電車を使わず車で来ましたが、往路も復路もストレスになるほどの渋滞もなくて、これはビックリ。とても楽チンな平日東京遊びでした。

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