ツーリング用地図アプリ

ある有名な方が「○○の性能の違いが、戦力の決定的差ではないということを・・・教えてやる!」と仰られていましたが、これはバイクのツーリング用のナビにも通じるところがあります。車に比べて画面を注視したり、パッセンジャーに操作を依頼したりすることができないバイクのナビに求められるのは「チラ見で判断できる道路の視認性」「グローブをしていても間違いにくい操作性」であって、他にどんなに豪華な機能が搭載されていても、この二つのうちいずれかが欠けていたらツーリング用ナビとしては戦力に値しないのです。

これまでいろいろな地図アプリを試してきましたが、今日「OpenMaps」というフリーウェアの地図アプリを使ってみたところ、恐ろしい程バイクツーリングに向いていると感じたので、捨てずにiPhoneの中で飼っていた他の地図アプリと比較してみました。なお、この比較において自車周囲の施設検索や目的地を設定してナビゲーションする機能の優劣については全く考慮していません。

僕のツーリングスタイルは県道やそれ以下の細い道に入り込むことが多いので、「1.5車線路をどれだけ捨てずに表示しているか」という点を重視して、1.5車線路が消えずに表示されるギリギリの引きで能美島の砲台山周辺がどのくらいの範囲を表示しているかでスクリーンショットを撮りました。

◆GoogleMaps

GoogleMapsはすべての面において隙がないです。1.5車線路も捨てられず、かなりズームアウトしても表示されます。決定的な問題点は地図の背景と道路のコントラストが低いこと。運転中にチラ見で判断しづらいのです。見た目綺麗につくるだけが良いナビアプリとはいえません。様々なタイプの方が使う事も考慮してハイコントラストモード等、スキンの切り替えができれば更に良くなるのに。
ピンチイン・アウトのズーム調整の他に、ダブルタップしたまま上・下スライドでも調整できるのはとても使い易くて良い機能です。

◆Yahoo!地図

機能は優れているのに、コントラスト薄過ぎ。屋外では使い物になりません。これまで・これからの雨雲の動きをレイヤードできるのは他の地図アプリにはない便利さなので、夏場の空模様が怪しい時は休憩中によく使っています。

◆地図マピオン

進行方向を示す表示方法に難あり。自車がどちらを向いているか分かり易くするために配慮した結果なのだと思いますが、進行方向に白くぼかしたマスクをかけるような表示のおかげで、進みたい方向の情報が読み取れなくなってしまいます。等高線が表示されている点は好感が持てるけれど、走行中に読み取れるコントラストではないです。

◆マップJapan

地図マピオンと同じエンジンの様子。GoogleMapsと同じく、ダブルタップした指を離さずに上下スライドでズーム切り替えができるのは便利。2本指タップでもズームアウトしますが、グローブ越しだとほぼ反応しない。

◆マップルナビ

バイク用ナビソフトの決定打‥でした。これまでのナビアプリと違って、地図データはダウンロードではなくあらかじめフルインストール。そのため携帯のアンテナが立たない地域でも好きな縮尺で地図を表示できます。大きめの操作ボタン、ダブルタップ&上下スライドでのズーム操作、無駄な機能も附属していません。
何より気にいっていたのは「スマートズーム出来ない」点です。縮尺固定の紙の地図に対して画面の小さなナビソフトの決定的な欠点は、ピンチ操作に従って徐々に拡大縮小すると、表示されている地図の縮尺が掴めなくなって全体の把握ができなくなるところにあります(<最近は慣れましたが‥)。このソフトは途中段階がなく、ある一定の段階ごとに地図の尺度が拡大縮小するので、元の縮尺に戻すのもタップの回数でコントロールできます。

大変残念なことに、現行のバージョン1.4にアップデートすると、これ以上ズームアウトすると細い道の表示が消えてしまうようになってしまいました(古いバージョンではかなり引いても表示していたのです)。正直、幹線道路以外では使い勝手が格段に悪くなりました。有償アプリでこういう改変・機能ダウンはちょっとルール違反だと思います。激オコです。ホントに良いナビアプリだったのに‥。

◆MapFan+

マップルナビの代替で使い始めたナビアプリ。これも進行方向に向かって白ぼかしのマスク表示で進行方向が見づらい。良い点は、ナビ任せで目的地へ行くのに複数の経由地がある場合、その設定が簡単にできるところ。

 

そして今日、OpenMapsというアプリに出会いました。

◆OpenMaps

もともとはPC用の「OpenStreetMap」が元になったアプリのようです。PC版はGoogleMapsを見慣れた目からすると最初は見づらくも感じますが、見慣れてくるとこちらの方が使い勝手の良い点が沢山あることに気が付きます。
iPhoneのアプリ版は、地図として使う上での自由度の高さが光ります。

  • 画面上の各機能へのショートカットボタンは自在にカスタマイズできます。
  • オフラインモードがあるので、目的地付近の地図を各縮尺で一度表示してキャッシュしておけば携帯の電波を拾わなくても表示が可能です。
  • 表示する地図スキンの切り替えができます!

上のスクリーンショットはPC版の「OpenStreetMaps」と同じ標準的な地図表示。とりあえずズームアウトはここで止めてますが、いくら引いても1.5車線路が表示されています!他にも「OpenCycleMap」というスキンは、

陰影つきの等高線表示があって、登坂能力の低い原付ツーリングではこれが意外と助かります。「このポイントからあっちが見えるかなぁ」という予測も等高線がないと無理なので、僕のツーリングスタイルではとても役立ちます。

ハイコントラストのスキンもあります。味気ないですが、現在位置とこれから走るルートが分かれば良いという使い方ならこれに勝るものはありません。

周防大島の入口あたりをGoogleMapsと並べて比較してみました。同じ縮尺でもOpenMapsの方が道が省略されていないことがよく分かります。広い範囲を表示しながら自分の位置も確かめるという使い方に優れた地図アプリだといえます。

これまでは複数の地図アプリを起動して切り替えながら使っていましたが、OpenMapsを使う事で全てはまかなえないにしても切り替えの頻度が減るだけでも随分楽になります。というわけで、OpenMapsの使い勝手を試すためにツーリングに出かけなくちゃいけないな。

2 Comments

参考になります。
OpenMapsとりあえずインストール。高圧線が表示されるのはいいですね。でも自分の場合圏外エリアが大半だからなー、と思ったら、アプリ内課金でDownloadToolってのがあるじゃん! 使えるかも。

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>柏君
セッティングの「Offline Mode」ってONにすると、基本的にキャッシュ見に行くみたいよ。なので、電波のあるうちにて予め見たい範囲を各縮尺で表示しておくと使えるんじゃないかなぁ。どの程度キャッシュできるかが分からんけど。
いろいろ試してみて、良いお話あったら教えてね。

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