GW阿蘇周辺ツーリング&ハンモック宿泊

ゴールデンウィーク前半の3連休。初日は球場で昼から焼肉&ビールのカープ観戦でクタクタになりながら、夜ゴソゴソと荷造りをして、翌朝起きた時間に応じてNUDAでツーリングに行こう‥と思った連休2日目。いつも通り5時半に目が覚めたので家を出ました。
ハンモックキャンプがしたくて一応宿泊セットを持ち出しました。出発が若干遅れて徳山から大分までのフェリーに微妙に間に合わない時間になってしまったので、山陽自動車道をひたすら下りながら、日帰り秋吉台にするか1泊2日九州にするか悩みながらとりあえず朝食を王司PAのうどんにすることに。

8:30
王司PAってもっと手前かと思ったら、ほとんど下関なのね‥というわけで関門海峡を渡ることにしました。

見えづらいですが、王司でサイレンサーステーのボルトがなくなっていることに気がつきました。そのまま走れなくはないですが、度重なる振動で金属疲労して根元からポキリといくのは悲しいので、小倉東ICで降りてホームセンターでタイラップを購入して縛り上げておきました。

10:00
秋吉台のつもりが、平尾台。以前家族旅行で来た時はガスっていて、訪れたというよりも通っただけだったのでよくわかりませんでしたが、カルストが結構広い範囲に広がっていてプチ別世界感は味わえるところでした。時間があれば散策したり、鍾乳洞に入ったりと楽しめるところはたくさんあるところです。また家族と来てみよう。

12:30
広島方面から阿蘇へ向かうには、やまなみハイウェイが王道だと思いますが、今回平尾台を経由したことから日田へ抜け、国道210号と212号に挟まれた「スカイファームロード」を抜けてみました。いわゆる広域農道なのですが、メインルートではないので交通量も少なく、アップダウンのある気持ちの良いワインディングで、大分県から熊本県の県境の峠を越えたとたん、目の前に阿蘇の外輪山が一直線に横たわる風景が開けます。思わず声が漏れるくらい素晴らしい!駐車場で煙草をふかしていた髭もじゃのハーレーおじいさんは、「以前教えてもらって以来、ずっと通ってます。しまなみ(ハイウェイ)は混むでしょ。この道は入り口が分かりにくいのが難点ですけどね」と言われていました。確かにこの道は惚れるわ。阿蘇へのツーリングがマンネリ化して来ている人にはオススメしたいルートです。

途中でみかけたアーチ橋。そういえば通潤橋って行ったことなかったな‥とか思いながらくぐってみました。

その近くにあった小国バーガーのお店で昼食。何がどうなると「小国バーガー」なのか尋ねてみたら、赤牛のハンバーグなのだそうです。

14:15
外輪山に到着したらまずはラピュタ道から。もう、定番。いつも最初に来てしまう。夏と違って春は緑が浅いというか薄いというか、土の色に草がまだ負けてる感じ。この時はたまたま頂上という頂上に冗談のように人がパラパラ立っていました。それぞれ道路から歩くと結構あるのだけれど、両側崖のような道を伝っていくところもあって、新しい楽しみ方ができそう。

カルデラに降りて、中岳を目指します。いつも一緒の行動パターン。

とはいうものの、いつもは北側の阿蘇駅のある坊中線から上ることが多いのですが、今日は西側、阿蘇公園下野線から上ります。途中米塚が左手に見えるルートです。でも、ここで自分撮りをするのもいつものパターン‥。

阿蘇らしい1枚。

ハンドル周りの写真。「黄色い縁のiPhone」、「青いガーミンのGPS」、「タンク上のツーリングマップル」。3つの地図をそれぞれ使い分けています。ガーミンのGPSは現在位置を確認するためのもの。ツーリングマップルで全体把握。NUDAになってタンクを見下ろしづらくなったのを、iPhoneのGoogleMapsの音声ナビで補っています。

GoogleMapsのナビは経由地の設定が出来ないのですが、基本的に最短ルートを示すので、地図を見て自分が組み立てるルートとは違う案内が出たりするのが結構新鮮で便利です。目的地まで最短ルートではない経由地を通りたいときは、経由地までをとりあえずの目的地として設定して使えばOK。音声ガイドは有線でヘルメット内に装着したB+COM用のヘッドセットで聞いています。

余談ですがB+COM用のヘッドセット、大変よくできていて移動中に音楽も十分楽しめますが、長時間聞くにはシャンシャンした音が若干耳障りで困っていました。ところが、たまたま耳栓をしながら音楽を聴いてみたところ、なんと耳に痛くない音だけが聞こえてくるのでロングツーリングにはピッタリ。高速道路でもバッチリOKです。人の声はよく通るので、ドラマCDやPodcastなども楽しめます。

15:15
草千里も阿蘇山上も、GWらしく大にぎわいで、今回はスルーでいいかな。と。

南側の高森へ降りるルート。いつも気持ちよい風景だと思いながら通り抜けるルートを、少し時間をとってのんびりと眺めていたら、だんだん社会復帰ができない人間になっていきそうで恐いくらいでした。

15:45
つづら折れの道から見下ろす田園風景。いつも停まって写真を撮ってしまいます。

また自分撮りしたりして。天気が良いと何やっても楽しい。

17:15
今回内牧のライダーハウスが満室ということで野宿することになったのですが、ハンモックの使い心地を試したかったのでそれはそれで構わないのです。それでも宿泊地は内牧にしました。どこに何があるか分かっているので安心できるというのが大きいです。ただいま、って感じ。ロケハンしながら「味幸(みゆき)」でケーキを頂きました。

17:40
内牧の中央公園に宿営。雨の心配はありませんでしたが、一応屋根下にハンモックを吊れる好ロケーション。公園だと水とトイレもあるしね。

18:30
内牧には全国からあげコンテストで金賞を獲得した大分のとりあんさんの支店があります。注文してから揚げるので、先にオーダーしておいてその間温泉に入るのが吉。風呂上がりにビールと唐揚げを持って、ライダーハウスの談話室にお邪魔して食べていると、風呂上がりの皆さんが続々と帰って来ました。

そこで。「今日はハンモックで野宿なんですよ、庭で予習してきたし」と話をしていたら、岐阜から来られた女性ライダーが「もしかしたら‥つがたくさんですか?」と言われるじゃないですか。なんと、ありがたいことにうちのブログを読まれている方なのだそうです。「ハンモック」「庭で予習」でピンときたとのこと。恐ろしい偶然で、こちらもあちらも正直驚きを隠し得ませんでした。どうもありがとうございます。無事にお帰りになられたでしょうか。

長くなりますが、ヘネシーのハンモックで一晩明かしてみての気付きなど。

寝心地はとても良いのです。実質8時間程眠りました。問題はこの時期の気温。朝の時点で7度でした。夜何度か目が覚めましたが、午前1時以降は寒さによるもの。皮パン・ブーツ・ライディングジャケットというバイクに乗る装備で寝ても、薄いハンモックの生地に直接触れていると外気に直に触れるのと同じなので冷えます。生地との間に1枚手持ちのマットやシュラフを挟むだけでもずいぶん違うので、あらゆるものを活用してハンモック内に一層シェルを作るよう努めると良いです。カイロの活用もおすすめです。

フライシートはハンモック本体と接触させない使い方が本来の用法です。でも、そうすると通気が良くなって気温が低い時には都合が良くないので、吊りの恰好は悪くなりますが、雨が心配されない寒い日はフライの角度を鋭角にして、ハンモックのメッシュ部と接触させることで、外気の流入をかなり防ぐことが出来ます。今回、朝にはフライの内側とメッシュ部が結露していたことから、気密性と防寒の効果はある程度上がっているのではないかと思われます。

ハンモック本体はお尻を最下部として逆ヘの字になるため、横向きで眠るのはキビシイです。長時間のうつ伏せなどは不可能です。ハンモック内では自由が利かないので、ハンモック内のレイアウトはハンモックに入るまでが勝負です。マットなどは予め向けたい角度に定めておかないと、入室してから調整するのは非常に困難です。

今回ベルトを巻く支柱が太かったことから、頭側は1重巻き、足側は無理して2重巻きしました。1重巻きだとハンモック内でゴソゴソしていると、テンションが落ちた弾みでベルトがガクンと下に下がることがありました。途中からロープの結わえ方を変えて、上に出ている「枝」に引っ掛けたことからそれも解消しましたが、ベルトは2重巻き、できれば位置が下がらないように上側の枝にからめたロープワークができると良いと思います。

また、ローブのテンションをいくらかけて張っても一晩眠るとハンモックそのものの高さは下がってくるので、最低でも目の高さより上に張る必要があります。

なんといっても魅力は収納性の高さ。左からハンモック、エアマット、シュラフ、エアピロー。これだけで快適に眠れます。夏ならエアマットとシュラフも要らないです。これならNUDAのように積載力が低くてもキャンプツーリングが十分可能です。

6:30
翌朝。ライダーハウスの朝練に向かう方々を見送りながら片付け。撤収は10分もあればOK。僕は早朝の中岳が好きで、またまたいつものパターンですが朝の阿蘇山上を目指します。

水を張って田植えをするまでの限られたわずかなこの時期、水鏡に映る逆涅槃像が見られます。写真じゃ伝わらないなぁ、素晴らしく広大な風景なのですよ。

6:50
早朝の阿蘇の何が良いって、低い日差しの斜光が山の彫りをより深く見せるのですよ。面白く複雑な形をしている阿蘇の山肌を、この時間が一番楽しめると思うのです。

遠景で見ると穏やかですが、実はいたるところで土石流の跡があり、道路の補修があちこちで行われていました。GWだというのに片側交互通行とか。

内牧では吐く息が白いくらいの気温だったにもかかわらず、驚いたことに山上へ向かう道の方がカルデラ底面よりも気温が高いのです。内牧を出発したときで7.5度。山を登り始めたら暖かくなって、登山道は12度。「標高が高い=寒い」という図式は当てはまらないようです。カルデラは冷たい空気が溜まるんでしょうかね。

小学生のころ、強風のなか登った覚えのある米塚。今は立ち入り禁止になっています。

7:00
草千里。ぽつーん。誰もいない。観光用の馬が放牧されて草を食んでいました。

阿蘇山上への道はゲートオープンが8:30から。今回はパスです。

7:20
前日写真を撮ったつづら折れと全く同じところ。いつもと趣きの違う写真を撮ってみました。

7:45
この界隈はどこでもワインディングが楽しめますが、そのなかでも秀逸なグリーンロード。外輪山の内側をクネクネと登っていく道で、他のルートと違って上りの傾斜が緩いため、走り易いワインディングが長く続きます。山の表情も少し他とは違っていて面白い。外輪山を乗り越えると、熊本市街を一望できるなだらかな風景にいきなり景色が変わるのです。

8:20
さて、名前と写真は何度も見たことのある通潤橋。この20年で九州は隈無く巡ったつもりでしたが、これまでずっと見逃していた観光スポット。広島からだと阿蘇を挟んで反対側に在るため、非常に訪れづらいのです。今回、ついに、本当についに訪れることができました。

「石の橋が架かっていて、定時に放水する」程度しか知識がない状態でやってきました。橋を見たら終わりかと思ったら、水路や木と石でできた水門があって、予想に反して何だか気持ちいい。

歩けば分かる。スケールデカい。手すりもなにもないワイルドさ。水と木に恵まれまくっています。

その上、通潤橋から歩いて10分ほどのユラユラ揺れる吊り橋からは、落差50mの立派な五老ヶ滝を楽しむことが出来ます。滝壺まで降りることもできて、これは家族で訪れたい!

勉強不足で単なる水路として作られた程度しか知識がありませんでしたが、江戸時代に水源のない台地へ灌漑用としてつくられた逆サイフォン式の水路だということを学びました。オーガニックな石積みが大変美しい。

ここの優れている点は、あらゆる視点から通潤橋を楽しめるように周遊路が整備されているところです。ちなみに写真でよく見る橋の中心から両舷への放水は正午。お金を払えば「マイ放水」もしてもらえるそうです。いや、地味だけど素晴らしい観光地でした。駐車場を出て、周遊路を歩いて一巡りして、再び駐車場へ戻ってくるのに、ひとりの足なら丁度1時間。

11:15
通潤橋でのんびりしすぎたので、通潤橋から一気に、ホントにノンストップでやまなみハイウェイを駆け抜けて湯布院まで来ました。道の駅ゆふいんで、朝ご飯。絶対オススメなのが団子汁です。昨年家族旅行で来た時はメニューに無くてとても残念な思いをしました。
九州旅行のお土産は、うちでは「からあげ」と決まっています。今回は道の駅で勧めてもらったおこぼりというからあげ専門店で調達。一口にからあげといっても、地域色があるので食べ歩きするのも楽しいです。

湯布院から高速で別府へ。あっという間の移動。

12:20
出口でETCが反応せず。シートを外して係員さんにカードを手渡し。これ、急いでいるときだとツラいですね。

12:40
杵築の赤松温泉。昨年の家族旅行で訪れはしたものの、時間と混雑の関係で入れなかった温泉です。男女別の入り口をくぐるといきなり湯船。黄色いテントシートのおかげで自分の目のホワイトバランスが崩れてしまいそう。透明でヌルヌルする源泉掛け流し、面白いのは一番奥に源泉の噴き出し口があって、熱湯の湯船。そこから手前の湯船に来るに従って温度が勝手に下がってくるという作りなのです。長湯したければ手前に、熱い風呂が好きなら奥へ。ゆっくり入りたかったけど、時間の関係で15分程の滞在でした。オーナーのおじちゃん、おばちゃんの商売っ気のなさがまた魅力的。

13:40
赤松温泉から国東半島の中心を峠越えすること1時間。竹田津港に到着です。スオーナダフェリーはバイクの予約が出来ず「早い者順」なので、到着のタイミングを計りながらもいつもヒヤヒヤします。ハーレーの大群とか居たら一発アウトですものね。14:20の便に乗れなかったら次は19:00とか、4時間半も何して過ごそうかって感じです。この日のこの時間はそれほど混雑していませんでした。

船旅2時間、徳山から高速で1時間で17:30に帰宅。

おみやげの鳥のからあげ500g。おこぼりさんのからあげは、薄く削いだような肉のからあげでした。

一気に年期入りましたよ。洗車&整備してやりたい‥。

2日間の走行距離830km。全行程の燃費は4.5L/100km=22.2km/l。そういえば初期に比べて長時間載ってもお尻が痛くなくなりました。NUDA尻ができてきたのかも。

今回の九州に入ってからのルート。

初日ルート


2日目

8 Comments

河童ライダー

もー涙が出るくらい羨ましいツーリング、しかもNUDAあんがいぴったりじゃありませんか!。 

私もこれから私用で熊本まで帰省なので、後日熟読したいと思います。

にしても、
NUDA×ハンモック+庭先練習では、世界で1名だけwww。

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>河童ライダーさん
短距離ランナーが一転して長距離ツアラーにw
面白いバイクです。
高速以外は意外と疲労度も低くて、結構走れるもんだなぁと感心しました。

長文、すみません。あまりにも楽しかったので、
帰宅してからも興奮冷めずに勢いで書いてしまいました。
またよろしくお願いします。

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takashi_s1w

素晴らしい休日を過ごされましたね。私自身、熊本に住んでいるのに回ったことがないところばかりで恥ずかしい気持ちになります。

こちらはケガが治らないのでNUDAの走行距離は納車日に走った30kmのままです。GWは寝たきりですね。

また熊本に走りにいらっしゃるときはぜひご一緒させて頂きたいです。
問題はあと3か月はバイクには乗れないであろうというところですが・・・。

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>takashi_s1w
ありがとうございます。
熊本は、ホントに羨ましいくらい懐が深い県だと思います。
全快の暁には、しっかりと堪能されて下さい。
まずは御身体をどうぞお大事に。

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>げちくん
今回は、ほんとに驚いた。
酔っぱらってご乱心しなくてよかった、とw

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シェル吉

阿蘇のライダーハウスでお会いした岐阜の者@シェルパです。
あの後、阿蘇連泊〜天草〜雲仙〜佐世保〜唐津などをめぐり、無事に帰宅しました。
つがたくさんのブログは論理的かつキラキラした感性がつまっていて、読むと元気をもらえます(^O^)これからもときどき見にきますね。

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>シェル吉さん
ご無事の帰宅なによりです。九州堪能ですね。
それにしても、今回はホントに驚きました。
通潤橋が素晴らしく良かったことよりも
思い出深い出来事かもw
またこちらでもどこかででもよろしくお願いします。

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