NUDA900R 山陰方面ツーリング

慣らし終了まであと300km。三瓶山往復くらいのつもりで8時スタートです。

特別目的地を定めることなく走り始めたのですが、三瓶方面へ向かう道すがら、来月中旬に練習会を開催するアサヒテングストンスキー場のコースを確認しに駐車場へ寄ってみました。思ったよりも路面の荒れもなくて一安心です。
NUDAはシュラウドの両サイドから取り込んだ外気温を表示することができます。この日は気温が上がるという予報だったのに、スキー場があるくらいの山はまだまだ寒く、気温は10度ほど。大朝で貼るカイロを調達して胸元に2枚、背中の襟元に1枚貼って走りましたが、日陰はそれでも寒いです。メーターバイザーは風除けの役目を全く果たしておらず、胸から上に直接外気が当たり続けるわけですから尚更です。ナックルバイザーが大袈裟かと思いましたが、これがなかったら途中で引き返していたことでしょう。

三瓶へ向かう途中の道の駅インフォメーションセンターかわもとでたこ焼きタイム。リアフェンダーをいつかテーブルにして食事してやろうと思っていましたが、たこ焼きの船皿がピッタリ。

トイレに寄ると、入り口に足立美術館のポスターが貼ってありました。前々から行ってみたかったのに、広島からだとなかなか近付き難い場所にある美術館です。ここまで来たんだから行ってみようと、目的地を足立美術館に設定。

三瓶山西の原は野焼きの真っ最中で警察やら消防やら地元ボランティアらしい人やらで大にぎわいでした。炎の勢いは激しく、風に煽られて道路を完全に覆ってしまうようなことも。火の足も速くて、写真を撮っている間にどんどん炎が近づいてきました。

三瓶山北の原。早春の山々は紫色を含んだ風景です。寒さのせいか、すれ違ったバイクは1台。

それから80km程走って足立美術館到着です。もっと侘しい感じの美術館かと思ったら、なんかとてもお金持っていそうな佇まい。入館料も大人2200円と、ちょっと高めの設定です。

でも、お庭は素晴らしい!晴れてて良かった。美術品の展示は順路の終盤になりますが、前半のお庭だけでも十分満足出来る内容です。足立美術館はずいぶん早い時期に館内をGoogleストリートビューでうろうろできる美術館として話題になりました。ストリートビューで見たときも複雑な構造だなぁ‥と感じましたが、実際、順路がとても複雑につくられていて様々な角度から風景を楽しむことができるようになっています。

展示は橋本関雪。竹内栖鳳に師事した京都四条派ですから動物を含む風景が主な内容でしたが、よくよくこれだけ観察しました‥とため息が出そうな筆致。写実でも象徴的な水墨表現でも、人が丁寧に仕事し続けるとここまで洗練された筆運びができるんだなぁ‥と感心しました。その次の部屋は横山大観。橋本関雪の仕事を見た後に横山大観の仕事をみると、ドーンとかデーンとかざっくりとした力強い仕事が魅力的に見え、その後橋本関雪の部屋に戻ってみると精緻な仕事が魅力的に見え‥とうまいこと引き立て合っているような展示でした。

陶芸には疎いので北大路魯山人がどのような仕事をした人かは知らないのですが、掲げられていたいくつかの魯山人の言葉に胸打たれました。実際付き合うとしたらあんまり友達にはなりたくないタイプかもしれませんが、嘘をつかず誠実に本人なりの美の真理を求めようという気持ちが溢れていました。

地下道を通って新館の「現代日本画」は、若い人は1980年代生まれの作家さんまで含む院展系の現役の日本画家の作品の数々。サイズからして、恐らく秋の院展に出品された作品を買い上げているのではないかと思われます。知り合いの作品も何点か。

全体を通して、明治時期から現代の作家まで、幅広く「頑張ってる」人の作品を集めて来ているのが分かります。とても見応えがあって、お庭だけでも満足なのに、作品群にも大満足な内容でした。

思いがけず遠くまで来てしまったので、帰り道はなるべく最短のルートで、と選んで通ったおろちループ。地元のライダーさんが「今日は全然バイクが走っていませんね」というくらい、実際ほとんどバイクを見ない1日でした。

「これ、なんていうメーカーなんですか?」NUDAを見た人によく聞かれる質問。納車して1週間で、尋ねられること3回目です。

中国自動車道へ向かう道すがら、1000km達成!律儀に5000回転縛りで走って来たので、少し上まで回してみました。5000回転まででも結構速く走れるじゃん‥って思っていましたが、たまたまその後に続く中速コーナーのワインディングで5000回転から上の世界は文字通り別世界でした。弾けるように加速します。ブーレキングにも力がこもって、これまでのセットでは進入の組み立てが成り立たないです。面白いけどキケン。でも、ちょっと楽しい‥。

楽しみ尽くす前に高速に乗ってしまうことになりましたが、庄原インターのETCゲートで反応せず、カードをシート下から抜く羽目になりました。ううん、車載器の角度かなぁ。

薄暗くなってきましたが、もう少しワインディングを走って帰ろうと、途中で高速を降りて低速コーナーの道を選んで調子に乗って走っていたら‥コケました。まさかNUDAでコケるとは思いませんでした。

路面の状況がつかめない暗さで、進入しようとバンクしたら細かい小石の撒かれた路面でそのままフロントからズルっと。スピンしながら遠くへ転がっていくNUDAが見えましたが、妙に無感動でテンパりもせず、冷静に対処をはじめました。

路肩に分厚く落ち葉が堆積していたのが幸いしてか、車体側はビックリするくらい被害がありません。バーエンドやレバーの先端、張り出したタンデムステップあたりは覚悟していましが、それらは全く傷ひとつなく、削れたのはバンパーと、クランクケースカバーの角とブレーキペダルの先端部くらい。ステップはそれまでに車体接地していたので転倒痕か接地痕か分からないレベル。ハンドルまわりが無事だったのはナックルバイザーが付いていたからですが、ナックルバイザーも下部が少しだけ削れたくらいで済みました。それにしてもSSB、恐ろしく良い仕事しています。これだけでもモトをとったといえるでしょう。人間の方は皮パンツにパット入りのジャケットだったので、服が少し破れたくらいで身体には全く被害なし。

帰りにディーラへ寄って1000km点検してもらおうかと思いましたが、到着する頃には閉店時間になってしまいそうだったので、広島インターから再び高速に乗って帰ることにしました。カードを車載器に再装着する際に車載器の位置を自分なりに丁寧に調整したせいか、今度はETCゲートできちんと認識しました。出口のSAのスマートインターでも問題なし。なんか微妙ですね。

20km/lは超える燃費ではありますが、今日は給油回数3回。13L中10L消費したあたりでリザーバーランプが点きます。走行200kmを超えないあたりで給油しないと、ツーリングのときは気持ち不安かも。燃料の残量計はありませんが、かなり正確な燃料消費計はついているので正直これは助かります。

map

走行距離480km。帰宅が19時でしたから11時間も出かけていました。思いがけず長距離走ってしまいましたが、意外と平気なものですね。薄くて硬いシートのせいで家を出てから100kmも走らないうちにお尻が痛くなるのですが、痛くてもう走れないという限界の90%くらいのところでずーっと停滞している感じでした。今日の走行距離と疲労度は、次のルートを考える基準になると思います。

それにしても、一昨日入れたオイル、もう抜くのか。新車は何かと物入りですね。

8 Comments

かっぱ

やっちゃいましたねー  でもSSBいい仕事してますね(笑)

足立美術館 僕も十数年前に行きました。
芸術関係には疎いのですが、横山大観のあの迫力に圧倒された記憶が蘇りますねー

もう一度行きたくなっちゃいました。

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>かっぱさん
見事にバンパーの一番長い辺が路面に接地するようになっています。
制作者が実車のオーナーさんというのは強いですねw

四国からだと足立美術館更に遠いですね。でも、3月末から三次〜山陰の高速道路が無料開通です。来年尾道から全線開通すればもっとアクセスしやすくなりますね。

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>カントク
一般道で転ぶのは10年振りですってばw
いつも調子にのって砂に足をすくわれています。

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>ぶん田様
D1お疲れさまでした。
おかげさまで、納車1週間で転んだ割に心の被害は皆無でです。
良いモノつくっていただきました。ありがとうございます。

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河童ライダー

見応え有るツーリング記、ありがとうございます。 

それから御無事で何より。
でも、これを見ると、SSB必需品に見えてしまいますね。
私も、これ行ったらラジエター吹っ飛ぶかもなーと思いますし。

それから、気付かれたように5000回転以上を使って走ろう、となるとフロントのセッティングがまた、組み立て直しな感じなんですよ、んでまだ思案中です。 いい感じ掴めたらまた、情報お願いしますw。

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>河童ライダーさん
なんかこれまで25年培ってきたものを一気に放出している感じで、いろんなことをしたりいろんなことが起こっていますw

もともとSSBは転けるつもりでつけたのではなくて、ロングツーリングをする人がパニアケースをバイクにつけていないと気持ち悪いのと同じように、ジムカーナを長く続けているとバイクにバンパーがついていないと気持ち悪いのでSSBをつけたのですが‥本来の使い道になってしまいました。
パワーバンドまで使うとフロントブレーキを握り込んでブレンボ本来の制動力を使わざるを得なくなってしまい、そうなるとフロントの入りがものすごく深くなるので、5000回転以下で走っていたセットじゃ圧に対して柔らか過ぎなのですが、これを解消するとなると今度は普段乗り憎い足になりそうです。心と身体の健康と安全のためには5000回転以下で走った方が良いとは思うのですが‥w

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