私学教員適性検査

高等学校や中学の教員になる道は、公立学校の場合は県の採用試験、私学の場合は各校の独自の公募を探すか、各県の私学協会が開催する私学教員適性検査を受けて登録しておく、という方法があります。今日は広島県の私学教員適正検査の日。問題用紙には「東京私立中学高等学校協会」と書いてあるので、多分全国統一の試験日なんだと思います。

主要教科は専門教科の試験(80分)と、一般教養&教職教養(50分)の2つの試験が課せられます。美術や情報といった「主要じゃない」教科は専門教科の試験のかわりに、小論文(字数制限なし・80分)が課せられます。
今年の小論文は、「授業時数を増やすことで学力向上が望めるのか、ということについてあなたはどのように考えているか」という課題。自分の回答の論旨は「昨今の学力観は知識量を指すのではなく自ら学び、自ら考える力をも含むものへと変化した。そのため授業時数を追加するなら知識量を増やすために使うのではなく知識を教養に昇華するために費やす、または個に応じて発展的な内容の学習に充てる・時数を増やすのではなく平素の授業で得た知識を体験や経験で裏づけするための時間として土曜や夏休みなどに課題を課す、といったことで確かな学力の向上を目指す。ただし、教育の目的である「人格の完成を目指し、社会性をもち、健やかな身体をはぐくむ」=「個人と社会の幸せを獲得する」点を重視した計画が必要である」でした。
一般教養&教職教養は、例年時間が足りないくらいの問題が出題されます。今年はいつも以上に問題数が多い(記述で、しかも論述の問題が多かった)年でした。面白い問題として、

『ある池の中に、ツルとカメとゲンゴロウが合計30匹いる。足の数の合計は112本。カメはゲンゴロウより2匹多いことがわかっている。ツルは何匹か。

1.和算の解法を使って、文章で答えを出しなさい。
2.代数を使って問題を解きなさい。
3.二つの解法の違いと共通性を踏まえながら、教科指導にどうつながっているか、思うところを50字程度で書きなさい』(平成20年度私学教員適性検査より)

というものがありました。最近は答えを導きだすだけじゃなく、解釈の過程を言葉で表現したり、問題そのものを教科指導と結びつけて考えたりと幅広くものの考え方を問われる課題が増えています。良い傾向だと思います。ちなみにツルは12羽です。お暇な方は解いてみてくださいね。

とりあえず長くて暑かった試験週間おわり。ちょっとガス抜きします。

3 Comments

なりなり

数年前に新聞?ニュース?で、どこかの大学入試で
「ドラえもんのタケコプターは空を飛べるか?」
「なぜ可能か。なぜ不可能か。理由を述べよ」
という問題。

初めて不可能な理由を知った記事でした。

返信する
Take

考える事すら拒絶してしまいました^^;
試験お疲れ様でした!
ガズ抜きなら連絡下さい☆

返信する
つがたく

答えが正確か、というよりは自分で考えているかということを試される試験っていいですね>なりなり

年とともに、「考えれば解ける」問題にチャレンジする気持ちが萎えていくのがわかります(笑)。なので、たまに無理してでも解けそうな問題を解いてみるのは若さに自分をつなぎとめておく秘訣かも。ガス抜きヨロ。>Takeさん

返信する

Take へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です