SuperCub 沼隈半島Geoツーリング

尾道市と福山市の境界にある沼隈半島。東西も南北も約10kmで基本的に平野部が少ない地形ですが北部以外は海に囲まれて、特に西側には島が点在している表情豊かな地域です。南東の突端には鞆の浦も。

2022年7月に、この一帯に一斉にジオキャッシュが撒かれて増えたのであやのすけさんとそれらを巡る旅です。この日34箇所巡って28F6Dでした。

松永湾の常夜灯付近に車を置いて、ここのジオキャッシュを拾ってからのスタートです。

半島からさらに半島状に突き出した半島の、広島ではよくみる海の中の鳥居には広島県の沿岸部でよくみる厳島神社の札が架かっています。廿日市の厳島(宮島)よりも山口県側にはそれほどみられませんが、広島県には海の中の鳥居&厳島神社があちらこちらに点在しているのをジオキャッシュを通じて知ることができます。

沼隈半島から西に突き出した半島の海岸線を進んでいくと、沿道にいくつも小さな祠があって、その途中にある平礁稲荷神社は「昔はお祭りもしていたし、ここ(脇の広場)に建物もあった」と地元のおじさんが教えてくれました。今はどういうことでこうなったのか屋根は壊れ、荒れ放題。でも、地域の人がこのあたり一帯を大切にしていたんだろうなという思いは伝わってきます。

半島の半島の先にある戸崎港からは対岸の向島の歌港が見えています。可愛いサイズのカーフェリーが停泊中。

こちら岸に船が居ない場合は、ボタンを押すと対岸から船がやってくるシステム。これは是非待たされてみたい(ボタンを押してみたいだけ)!

地図上では半島の半島の端の端なのに、ここでキャッシュが見つからないと結構ショック‥。

トンボロ現象で引き潮の時に渡れる手城島。島にキャッシュがあるようで、あやのすけさん、迷わず凸。

僕も続いて凸。

あれあれ、進まないよと思ったらリアタイヤが砂を掘っていて、スタンドを出さなくてもバイクが立つような状態になってしまいました。カブなら持ちあげられるから怖くない。

内海大橋経由で田島へ渡ります。普通に考えたらこの橋、まっすぐ架ける方が部材費なども安く済むだろうに、どうして「くの字」に橋が曲がっているのか気になって調べてみました。
Wikipediaによると、海中の浅瀬の岩礁と船の航路の関係から、直線橋で橋脚をつくると大型船の航路を妨害してしまうことと、浅瀬の岩礁が橋脚に耐える地盤だったことで工費を抑えられるといった理由からこの特異な「バスケットハンドル型ニールセンローゼ橋」という形状の橋になったそうです。

田島からさらに橋を越えてその先の横島へ。ここにはコンクリートでできたアーチ状の雁木があります。他でもアーチ状の雁木はみられなくはありませんが、ここのは長〜い。

島の中央の切石山は巨岩が剥き出しの山頂で、突端から四国方面の海を一望できます。この日はたまたま雲が多いものの雲間から海に陽光が指す神々しい景色に恵まれました。

こちらのこの突端、一歩間違うと命がない‥。

腰が引けるのも分かります。

山頂あたりのドローン映像がありました。

いつも思いますが、周辺の複雑な島の位置関係を把握してそれぞれの島の高台に立つと、ただ風景を見るのとは違って何倍もこの島並みを楽しむことができます。切石山からは因島大橋で結ばれる向島と因島が見えました。

浜辺のトイレから出たときに見える風景に小さな幸せを感じる‥12月としては異様な温かさで、暖かいというよりは「暑い」と思って1枚脱いだくらい。といってもやはり冬を迎える前の季節らしく空も空気もとてもさわやか。夏にはないバイクの楽しみ。

またこの端の端の島のキャッシュでDNFが出たら悲しいところでしたが、みつけました。先日DNFだったTONYさんのためにログを記録中の写真など‥。

沼隈半島最大の観光地といえば間違いなく鞆の浦ですが、今回は贅沢にも鞆の浦を完全スルーです。鞆の浦付近の集落に入る前にスカイラインに上がって内陸部へ向かいます。鞆の浦に立ち寄らなくても丸1日この界隈で遊べるというのはジオキャッシングのおかげ。

このあたり、平家の落人伝説があるようでここも壇之浦合戦で戦死したということになっている平通盛がここに落ち延びてきたというゆかりの地になっています。九州の山奥などでもこういった史跡をみることがありますが、平家の方々はどれだけ広い範囲の山奥に落ち延びていったのだろうかと思いますね。そしてどこまでが真実なんだろうかと。

山深い沢を上っていった先にある湯舟神社。なんというか小ぢんまりとしているのに何もかも荒削り。ほとんど人もやってこないだろうに、こうして社が残るのには何かしらの理由があるんでしょうね。ここもこんなところまでやってきてDNFだとツライと思いましたが、あやのすけさんが見事に発見されました。

この道中、未舗装路を1車線分のコンクリートで固めている最中で、まだ木枠のとれていないコンクリート部分に気づかず入り込んでしまいました。コンクリートはすでに硬化していましたが、木枠を抑えている金属製の杭に気づくのが遅れレッグガードをヒット。これはかなり怖い。ほぼ人もやってこないだろうと思って何も警告がないのでしょうが、車で侵入してもひっかけてしまう高さなので知らずに突っ込んだらかなり危険です。よくよく周囲の状況に目を配りながら走らなければいけません。

次のキャッシュへ向かうのに、徒歩道表記の道だったのですが車の轍も見えたのでカブで入ってみました。荒れ荒れに荒れていますけど、カブなら楽しい。すごい走破性能に感じるのはタイヤ径と軽さに依るものが大きいでしょうね。

12月も中旬になろうかというのに、山の中ではまだ秋を感じることができました。特に常国寺の周囲はもう少し早い時期に訪れたら相当きれいだったろうな、と思えるようなもみじロードでした。

いろんなところへ行きますが、福山の街なか。

薔薇の街らしく、バラ園のある公園とか。

福山市街地の東側に位置する明王院は本堂と五重塔が国宝です。神社仏閣とか、奈良京都以外で足を運ぶような人生じゃなかったのですが、ジオキャッシングを始めてからはもう数えきれないくらいその境内に入りました。ここから背後に横たわる山のキャッシュへ向けて急峻な山道を、あやのすけさんと50代前半の疲労感と汗の匂いを漂わせながら登りきりました。

実はほとんど標高差のない駐車場から楽々山頂へ行けたようなのですが、手持ちの地図ではそれが分からず良い汗をかきました。

福山市街。日も落ちてあと30分も待てば夜景になるところを、暗くなってはその後がタイヘンなので早々に下山しました。

ショートカットのために選んだ道は、僕のカブ史上最狭の路地。リアタイヤを持ち上げて切り返さないと曲がれない坂道。カブおもろ。

久しぶりにライトの明かりに頼って走る時間がちょっと新鮮。でも日が落ちると季節感のある気温になりますね。

沼隈半島、普通に訪れたら海岸線と鞆の浦を巡って終わってしまいそうなところを、ジオキャッシュ×カブのおかげで丸1日走り回って楽しめました。海に山にあんな道からこんな道、とにかく楽しい取り合わせ!なんでもないような一帯が、とても思い出深い地域になります。

3 Comments

カブじぃ

いつも楽しく読ませていただいてます。
以前CB250Rを買い増ししようと思った時から、参考にさせてもらった60歳のカブ乗りです。
結局、GB250にしましたが…

狭い所でカブの方向転換はサイドスタンドを立てて、コンパスの軸の様にするとクルッとまわれますよ。

これからも楽しい記事を楽しみにしています。
ありがとうございました。

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tsugataku

>カブじぃさん
いつもありがとうございます。僕も狭い場所でダートなんかだとエンストしないのを良いことにアクセルターンで反転したりするのですが、今回の路地はサイドスタンドを出す余裕がないどころか右斜め後方へ鋭角ターンする場所で、縁石くらいの道幅しかなくて切り返しする余裕もないのでヨッコラショっと持ち上げました。軽くて助かってますw 楽しいです、カブ。

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カブじぃ

ご返事ありがとうございます。
そうですよね、tsugataku屋さん程の腕前なら私なんかより色々な選択肢がありましたね。
失礼いたしました(笑)

勉強になるのでこれからもおじゃまさせていただきます。
ありがとうございました。

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