SuperCub で初宮島野宿

「宮島に泊まりにいきたい!」と午前中にピアノのレッスンを終えたムスメが言い出すものですから、土曜日の午後からゴソゴソ荷物を作ってカブに積み込んで、宮島野宿へ行くことにしました。

そもそもタンデム+2人分の宿泊機材が積めるのか、まずそこからスタートでした。ハンモック?テント?調理はどうする?、と、荷物を精選してうまいこと積み込み。サイドバッグに全ては収まり切らないので、大物のテントとチェアはリアキャリアのさらに後ろ、ストップランプの上に積載しました。

宮島口から10分の船旅。

気温は8月らしくそれなりにあがりましたが、驚くほど湿度が低い日です。まぁそうでもなければ8月にムスメと野宿には出かけませんね。

自撮り。

社会見学。

道沿いにある旧日本軍探照灯施設跡。

なかなかの雰囲気。

ひとりじゃ入れないって。

探照灯が出てくる穴。もう随分木々に覆われてしまっています。

泊まろうと思っていたスペースには家族連れがいらっしゃったので周囲を一巡りしてここにしました。日陰にならないので厳しいかと思いましたが、ちょうど雲が広がって薄曇りになってくれて助かりました。

設営しているあいだ、ムスメが流木を拾い。たくさん集めてくれました。

ヘリノックスチェアの足の下に砂に埋もれないよう竹を敷いていますが、これだとよく足が外れて埋もれてしまいます。椅子って前後には動かすけれど横方向にはあまり動かさないので、横向きに竹を並べるより、縦方向に並べて敷く方がズレなくてよいことがわかりました。

食材を調達しに街へ戻ってくま金さんへ。

くま金さんの奥の神社に子鹿がいました。鹿ってもみじ葉も食べるのね。それって宮島は島全体がお菓子の島じゃないですか。

大聖院へ行きたいというから立ち寄ってみました。参道の階段はなにやらオブジェを設置中で通行できなくなっていました。

そこで脇道の五百羅漢の小径を通って本殿へ。

ちょっと別世界だからね、戒壇めぐり。本殿下の真っ暗な空間を手探りで歩いて行きます。ムスメ、3回も入っていました。

泊地に戻ってきた。小さいのに頼もしいな、スーパーカブ。

夜に備えて薪を切り揃えたり色々と準備しましたが、することがなくなったのでまた街へ。

ちょうど日の入りの時間で、夕焼け。

大鳥居の囲いもオレンジ色にライトアップ。

あ。

あ。

ムスメをタンデムシートに載せたまま僕だけ降りて自販機に買い物へ行ったのですが、ムスメが動いてしまったようで右側へ倒れてしまいました。あああ、俺のスペシャルステップが‥。

街灯のない細い道を塞ぐ鹿に怯えながら山越えして泊地に戻って、他にすることもないので火遊び。

ある程度熾火がたまったところでガンガン叩いてます。ひとりで泊まる時は考えもしませんでしたが、ムスメが居るなら花火持ってくればよかったね。

21時には消灯。このテントで2人寝られるのか問題も、なんとか解決。だけど、来年はもうキツいかな。

明け方4時過ぎに起床。さすが8月、半袖でも寒くない。5時半ごろに日の出で、少しだけ焼けました。

キャンプ場じゃないので誰もいません。ここへ来る手前に包ヶ浦自然公園 キャンプ場があります。ムスメは「ちゃんとしたキャンプ場があるのならそっちが良かった!」と言っていましたが、明け方「快眠できた。」とこちらもまんざらではない様子でした。

たくさん機材は運べませんが、おかげで機材の優先順位をよく考えて引き算的に荷物を選んで持ってくる宿泊ツーリング。僕は豪華なキャンプよりもこういうのが好きだな。今回持って来れば良かったな、と後悔したのは、花火ですね。

あ、ヘリノックスチェアの足が埋もれるのを防ぐための板、ここでは縦向きに並べています。これが正解。

撤収も積み込みも荷物が少ないので、サクサク。

日曜日の朝。午前7時前で観光客もほぼゼロ。お店も開いていませんが、少し散策します。

厳島神社は午前6時半から拝観できます。ムスメが「入ったことない」というので回廊を巡ってみました。このお清めは‥かなり狙ってますね。

社殿の中にいくつか神社が入っている感じ。そういえば昨晩宿泊したのは宮島の周囲を囲む七浦神社のひとつ、鷹巣浦神社のある浜でした。

水が退いているよりは満潮に近い時間に来た方が見栄えがするので、潮位表をみて訪れると良いと思います。

多分、パラフィンでコーティングされたオブジェ。昨日の大聖院の階段や、ここへ来るまでの大鳥居が見える浜あたりや厳島神社沖の浜などで、大学生らしい人たちが何か制作をされている様子でした。どうも建築を学ぶ学生が屋外で制作をするという「建築学生ワークショップ」という企画で、今年は宮島が会場のようでした。昨日も日の入りの暗い中作業していたし、朝も7時前から集まって制作しているので何事かと思ったら、どうやらこの日が制作発表日のようで、多分各会場仕事が押していたのだと思います。

昨日今日で6作品ほど横目で見てみましたが、アート系の作家を目指す学生の作品ではなく建築系の学生のオブジェ‥だからというわけではないにしても、面白みという意味では物足りないというか浅さを感じるというか‥。風や波を利用してモビール的に動くという面白さを前面に押し出している作品が目立ちましたが、造形的な美しさやコンセプトを形にする技術を学ぶなら、建築というジャンルに捉われずに世間の現代美術やインスタレーションをもっと見て体験して学習すると仕事の深みが増すのでは?と思いました。いや、これは正直強く言いたい。せっかく宮島に集まったんだから、瀬戸内国際芸術祭でも見て帰れば良い。

鳥居に囲いがなければ、ここで潮が満ちていると最高の撮影スポットなんだけど。鳥居が囲われているのも今のうちと思うことに。

天日に晒され、潮をかぶり、年間恐ろしい人数が踏み締めるのでしょうが、板の張り替え周期ってどのくらいなんだろう。

朝イチってほんとにガラガラ。撮影待ちみたいなことにもならないです。

おみくじ。出てきた棒の数字を覚えて、

引き出しから紙を取り出して結果を見るタイプ。維持管理が楽。

野生の鹿が島中にいるので街なかどころか用水路にも鹿がいる風景が当たり前の宮島で、そういえば今回ニホンザルを見ましたよ。昔は猿が弥山に当たり前のようにいて、「目が合うと襲われる(食べ物を狙われる)」と言われていたので、僕が小学生のころは「弥山=サル怖い」というイメージでしたけれど、大人になってからは島で猿を見たことがありませんでした。まだ居るんですね‥巨大なイノシシ、うどんをねだるタヌキには出会したことがあります。

廿日市の小学生のムスメは学校で宮島のことも学習するようで、「千畳閣へ行きたい」と言い出しました。千畳閣の拝観時間にはまだ早い時間で入れなかったの(と、今回建築イベントのプレゼンを千畳閣で行う準備をされていたの)で、

千畳閣の下を通る通路からバイクを停めた厳島神社入り口へ戻ります。

これ、千畳閣の床下部分ですが、礎石に垂直の柱が載るという形ではなく、石垣を組んで、石垣の上面の形に沿うように整形した「礎木」を渡して、その上に柱が載っていました。面白い構造だけれど、この方法、木は当時モノってことでしょうか。16世紀に豊臣秀吉が建立しようとしたけれど、建立中に秀吉が亡くなってしまったので完成させずに現在へ至るという面白い由緒のある建物です。

8時10分の便で帰ります。

それほど仰々しくないのに屋外泊できるだけの荷物は積める‥スーパーカブ110、素晴らしい。6月に乗り始めて3ヶ月、予想をはるかに超えて幅広くいろんな可能性を見せてもらっています。

うちに帰ると、頼んでもないのに麦茶がシュレッダーした給与明細が食卓の上に置いてありました‥ムスメと宮島野宿ができるなんて夢にも思いませんでしたが、麦茶を連れて野宿という日は来るんでしょうか‥。

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