690DUKE 広の戦跡巡り

広島湾を守るための戦争の遺構シリーズ。特に呉周辺には特に大小様々な工場や戦争の遺構が残っています。新しく見つけたところにキャッシュを設置して、家に帰って周辺情報や関連情報を掘り下げてみると、更に面白そうなところが次々と見つかるので、また訪れる‥ということを延々と繰り返しています。今回は2ヶ所設置しようと思ってコンテナを持って呉市広へ向かいました。

先日阿賀マリノ大橋へ向かう途中、振り返ってみると小高い山上にいけそうな道があるのが気になっていたのですが、まさにその道の先にあった大空山が今回の目的地。高射砲台の跡地を利用した公園になっています。

ここはもともと高射砲台として建設されたわけ砲台ではなく、広島湾の外から山越えルートで呉へ侵攻してくる敵から防衛するために作られた砲台だったものを、第二次世界大戦中は呉を守る対空砲台として転用した場所のようです。

二連の砲床。同じものがもう1セット並んでいます。今まで藪漕ぎして地図にも載っていないような砲台を巡ってきたのに、この綺麗に公園として整備された砲台跡のことを知りませんでした。高烏砲台跡のように公園化を優先して砲台跡を無視した造園ではなく、ここは綺麗に当時の様相を保ったまま砲台跡が残されています。

というか、公園としてもホントに綺麗に整備されています。林や森の中に遺棄された遺構独特の、何得体の知れないものが出てきそうな雰囲気がほとんどありません。

このちょっと変わった寸詰まりの通路、なんだろう。砲撃中の爆風の避難場かな。

ここの砲弾庫は半地下ではなく地上レベルにあります。木製の扉が設置されて中に入れなくなっていますが、中は妙に生活感のある状態になっていました。

観測所や指揮所へ向かう同時モノの階段。

山頂の観測所の下にあるこういう場所は指揮所とされている場合が多いです。

内部、特に何もないのですが‥

両サイドの壁に穴が開いています。

壁に垂直な穴ではなく、山頂の観測所へ向かって一直線のような穴。

その延長線上に反対側の穴。こちらも壁に対して垂直ではありません。おそらく下の砲台へ向けて観測所や指揮所からの伝声管などの配管が通っていたのではないかと思います。

石造りってすごいね。100年くらい経っているのに、堅牢な壁として残っています。

観測所と指揮所をつなぐ通路と階段。この辺りは当時モノですが、この石組を基礎として、

山頂に展望台があります。

写真だと立体感が全然わかりませんが、肉眼で見ると山の地形をどのように砲台として利用しているのかがよくわかります。なかなか俯瞰してこの手の施設全体を見る機会ってあんまりないからね、とても貴重な場所。

山を下りながら振り返ってみると、今時の公園っぽい展望台と、公園の施設として全く意味のない砲座の対比が見られます。

車の駐車場には付帯施設ぽいものがありますが何のためのものか分かりません。

バイクで山を下ろうと思ったら、アーチ型の建造物が。倉庫っぽい。

ここも入り口こそ塞がっていますが、窓から内部は見えるようになっています。

壁が恐ろしく分厚い。防空壕でしょうか。なら窓はつけないか。

昼食に「とうてつ庵」さんへ。

ここの蕎麦は美味いですよ。蕎麦の香りが麺つゆに負けてしまわないようにつゆに浸ける量も丁寧に調整して口へ運びます。

目的地その2へ向かう途中の、いかにもあとで蓋をしたような跡が残る県道沿いのコンクリートの壁。

これはどうなんだろう。矩形の穴なので、当時モノではなく戦後に開けた穴をふさいだものかな。

山へ入っていける道を見つけて歩いてみると、アーチ型の当時モノっぽい石垣がありました。これも砲台を囲む石垣でしょうか。

ここは資料も見つからず、なんともいえない。

目的地その2へ。バイクで上がっていけそうでしたが、先がどうなっているかわからなかったので歩いて行きます。途中3箇所、DUKEだと無理かなと思えるヘアピン。セローやミニバイクなら大丈夫そう。

目的地その2に到着。グラマンの機銃掃射痕の残る電柱。

.50口径(12.7mm)の弾痕だと思いますが、破壊力すごいですね。金属のハンマーで思い切り殴ったってこんなにコンクリートが欠けたりはしませんよ。

一番下は補修した跡があります。そのまま放置すると危なかったのかな?

シュールだぜ。いや何で残しているのかという点でも、ここに至る道も、なかなかシュールだぜ。

穴発見。

人がひとりギリギリ入れるくらいの大きさなのに、中には梯子が‥。水がたっぷりと溜まっているようです。

アレ思い出しますね、針尾送信所。

すぐ近くの切り通し。前回もこのクラウンが突っ込んである穴がどう見ても当時モノだろうと気になったのですが‥

この切り通し、前回走った時には気が付きませんでしたが当時モノの壕が4つ掘り込んでありました。3つは使えないように砕石を詰め込んだ上にネットがかけられて入ることができなくなっています。駐車場として使っているあの1箇所だけ私有地なんだろうか。

今日の目的は達成したので帰りに未発見のキャッシュに立ち寄りながら帰りましょう。

山肌に沿った水路を辿っていくと‥

森の中の円筒分水!これ、右上にはくねくねした水路、左上には水道橋。なんという素晴らしい雰囲気。

よくみると、ここから4方向へ水路が伸びているのですが、それぞれの水路の仕切りがないんですよね。適切に水を分配するための円筒分水としての機能は‥ヒミツは筒の中?いや、外へ流れてていく水路は外周につながっているんだよな‥。

キャッシュ見つかったから難しいこと考えるのやめよう。

‥ああ、今気がついた。周囲の水路へつながるスリットの幅が各所違ってる!

ローカル名勝を巡りながら家へ向かう帰路。

この日、2日前に昔のような定額聞き放題のサービスに戻ったAmazonオーディブルを再登録して、中国のSF作家劉慈欣の長編SF小説「三体」を聞きながら移動していました。無茶苦茶充実です。最近、昔のツーリングってものすごく充実していたよなぁ‥と振り返ることがよくあるのですが、よく考えたらそのころってAmazonオーディブルを利用していた時期でした。読書する時間がなかなか取れない昨今、バイクでの移動中に1冊読み終えられるというのはとても便利です。

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