診断結果とその後

いよいよRI検査です。CTスキャン、MRI診断、RI検査の結果を基に今後の治療方針を伺う日です。

今回もドーナッツ状の機械に通されるのかと思ったら、RI検査は水平に寝た自分に接するか接しないかのギリギリまで降ろされた平板なスキャナが、頭から足先まで移動して体内の放射線を測定するというものでした。病院内に流れるピアノのクラシック曲を時間の目安に考えると1回7分くらいのスキャンを上から下へと場所を変えながら6回ほど繰り返したところで技師さんが画像を見ながら何か機械を操作し、改めてセンサーの位置決めを胸部付近で厳密にして正面と側面から撮影をしたので「こりゃ何か見つかったのかなぁ‥」と覚悟を決めました。

そのまま外来で内科の担当医のところへ。

最初に説明されたのはRI検査の結果について。RI検査は悪性腫瘍に集まる放射性物質を視覚的に判断する画像診断です。肝臓と膀胱はもともと試験薬品の集まりやすいところなので黒くなっていますが、それ以外のところに黒点があればそこが悪性腫瘍ということになります。写真を見た結果‥胸部には黒点が全く無く「悪性腫瘍ではないと考えられます」という診断でした。

悪性ではないにしても腫瘍であれば今後悪性に変わる事も考えられるので切除しておいた方が良いというのが最初にCT画像を見ながら診断したときのお話でしたので「外科と相談するので少しお待ちください」と言われ待つこと5分。再び呼ばれてお話を伺いました。すると「MRIの画像をよく見ると、どうもこの出っ張りは心臓とつながっているみたいなんですね。これは「???(名前忘れました。心臓の耳といったニュアンスのことを仰いました)」といって、右心室か右心房の一部がはみ出しているものだと考えられます。腫瘍ではないようなので、このままでも問題ないかと思われます。胸の圧迫感が根本的に無くなるという結果にはならないのですが、ご心配なら3ヶ月くらいしてCTをもう一度撮ってみてください」とのことでした。1週間まえから出始めた右脇腹に近い胸部の痛みについても伺ってみたところ「画像で見る限りでは全く問題ないですね。痛みの場所はどこといわれてココと指せるなら大抵の場合肋間神経痛でしょう。内部の痛みなら大体この辺りという感じで具体的に痛みの場所は指せないものです」と。

自分の考えていた今後のパターンは、最悪近日死亡、そうでなければ余命宣告。良くて良性腫瘍で切開摘出&入院というものだったので、無罪放免というのは全くの想定外で、今までの心労は何だったの?!というなんともいえない感覚です。結果を聞いてもうしばらくは生きていられるという喜びを実感できるようになるよりも先に、朝食を抜いていたせいか猛烈な空腹感を覚えました。

今回は自分の気持ちに保険をかけすぎて、最悪の事ばかり想定していました。おかげでこの2週間、いろんなものに感謝して身の回りのできごと一つ一つをじっくり噛みしめて味わいながら生きることができましたし、特に子どもに2週間ほどベッタリ張り付いて過ごすことができたのが心底嬉しいことでした。胸の違和感は相変わらず晴れませんが、生きていることを実感して生きている時間を大切にすることをを思い出すためのハンディキャップとしてつきあっていかなくてはなりませんね。

死期が近づいたと考えたときに自分は行動はポジティブに、精神的にはネガティブになることも今回よくわかりました。実は普段から身の回りに起こる出来事に対して消極的に考えている姿勢が、こうした局面では特に強くでるものですね。年初から今年の抱負‥というよりはこれからの人生の抱負になるような出来事がたくさんあって、今後自分にとって忘れられない年となりそうです。

初回レントゲンと心電図、CTスキャンと診療で9,320円。今回RI検査と診療で17,940円。でした。診療を受けるにあたって財布にどのくらい忍ばせていけばよいのかサッパリ分からなかったので、ご参考までに載せておきます。

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