VTR250 スイングアームベアリング交換

うちのVTRは中古で購入した状態があんまりにもひどかったので、ベアリングやらシール類やら、輪っかの部品をいろいろ交換しようといくつも買い貯めていました。それらを1箇所にまとめていた結果、どれがどこのパーツだかわからなくなってしまいました。

近所のバイク屋さんへ行って、手持ちのパーツとパーツリストを比べて、何を持っているのか再確認。どういう頼み方をしたのか手持ちのパーツではホイールのベアリングとシールのセットが前も後ろもなぜか揃っていなくて、スイングアームのベアリングとシールだけが揃っていたので早速交換することにしました。

VTR以外の車両を表に出して、作業スペースとしては十分な広さを確保。

ピボッドのボルトは88Nmと高トルクの締め付けなので‥とリアを吊る前に緩めておこうと思ったら、結構な低トルクで締まっていました。

うちのように広くないガレージでは、この手の折りたためる軽量なテーブルをパーツや工具のトレー置き場として使用すると、しゃがむ回数が減りますし、整備状態に合わせてトレー置き場を変えられるので便利です。底にキャスターがついたカートなどは便利ですがそれ自体が邪魔になったりしますし、床がコンクリートでモノが置かれていないガレージというのが便利に使うための前提になりますので、狭いガレージではかえって使い勝手が悪くなります。

うへー、きちゃない。この状態でスイングアームを動かしてみると、動きもスムーズで交換する必要があるのか?と思うくらい。

うひゃー、きちゃない。

めんどくさそうと思って先延ばししていた作業ですが、ここまではあっという間。

スイングアームのピボッド部、左右ともカラーが入っていますが、左はニードルベアリングで支える1本の長いカラーで、右は短いカラーでボールベアリングを挟み込むという仕様になっています。

左から外してみましょう。中のグリスが切れることもなく、交換するまでもないような状態でしたが、来季のために交換しておきます。

見た感じ、ベアリングを圧入する際に定位置で収まるような構造ではなかったので、ベアリングの深さをあらかじめ測っておきました。ダストシールを収めるために4mmほどのの深さに打ち込んでありました。作業が終わった後にサービスマニュアルを見直してみたら、マニュアルにしっかりと4mmって書いてありました。

ここのベアリングは貫通した穴に差し込んであるだけなので、打ち込んで向こう側へ抜くことも手前へ引き出すこともできるタイプです。スイングアームの内側から外側に打ち出して抜くには反対側の張り出しが邪魔でハンマーでうまく叩けません。外側から内側へ打ち抜くにはかなりの量を叩き込まないといけません。というわけで、ベアリングプーラーで引き抜くことにしました。

ベアリングプーラーでベアリングをごっそり力技で引き抜く作業って、妙な気持ち良さがありますよね。

極厚耐性の強いスーパーゾイルのグリスをニードルベアリングに塗り込んで、圧入はベアリングプッシャーをあてて叩き込みで。油圧プレスって買えない値段じゃないから購入してしまおうか、っていつも思いますが、置き場所がないのでいつも先送りして叩き込んでます。

ツライチまで叩き込んだら径のあうインパクト用のソケットを使って、慎重に4mmまで叩き込みました。

車体右側。こちらはなぜかボールタイプのベアリング。しかも同じものを2つ押し込んで奥行きというか厚みを稼いでいます。車体左側はニードルベアリングでこちら側にボールを使うのって、何か意味があってやっているんだろうなぁ‥理由が思いつかないけれど。

スナップリングを外して‥

プーラーでベアリングを抜き取り。こちら側はベアリングの奥に段差があって叩き込む深さが決まっているので、縁からの深さをあらかじめ測っておく必要はありませんでした。

ベアリング2段重ねなので、抜き取り作業ももう1回。

最終的に抜けるベアリングならベアリングプーラーで抜く作業、好きだわぁ。たまにプーラーを掛けるスペースに困ったり、爪が掛かりづらかったりして抜くのが大変なベアリングがあったりしますが、都度工夫してなんとか抜き取れています。そういう作業全体が面白くて好き。

こちらもベアリングの隙間にゾイルグリスを塗り込んで回し、塗り込んで回し‥を馴染むまで繰り返してから使用します。

打ち込みはツライチまでプッシャーで。その先はGROMのフライホイールプーラーが非常に使いやすい太さだったのでこれで奥のストッパーまで叩き込みました。

きちゃなかった後ろバンクの裏側も綺麗にしておきましたよ。

掃除してピカピカ、ベアリングも新品というダブル効果で超気持ち良いスイングアーム。むちゃくちゃ重いのはなんともしようがない。

GROMは車体のパーツそのものが軽いですし、それ以前に乗っていたバイクはアルミパーツを使うなりして軽くすることを意識していたマシンでした。今回作業してみて分かりましたが、VTRって軽くするための努力はあまり成されていない「実用車」って感じです。競技に向いているとは思えないんですけれど、その辺は割り切って付き合っていくしかないですね‥楽しんで乗ろう。

せっかくステッププレートを外したので、ピポッド下の突起を差し込む構造になっているところを差し込まずズラして取り付けておきました。簡易アップステップ化ですね。ポジションがどう変わるのか心配でしたが、跨ってみると全然違和感ありません。ブーツのつま先が削れなくなるといいなと思うのですが、ペダル位置はシフト側は変わりませんしブレーキ側もほとんど高さ的に変わりませんから、つま先が削れる対策にはならないのかな。

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