GROM ノーマルフォーク加工

キタコさんのフォークスプリングは3種類のうちの真ん中のバネレートにしたのですが、僕にはレートが強すぎたようでした。踏ん張りがキツくてすぐ伸びてくる感じがしたので、ダメ元で広島高潤の極端に粘度の高いオイルを混ぜて伸びを抑えようとしてみましたが、当然圧側も動きが鈍くなって結局ただの硬い感触のフロントフォークになってしまっただけに終わりました。

というわけで、2回目の全バラ。ノーマルスプリングに戻します。

今回はアウターのケースは外さず、フォークをオリフィス穴が見えるまで引っ張り切って、インナーチューブを固定する専用工具をクランプして作業。ボトムブラケットを固定するネジロックを塗布する適量が分からず前回塗った量が多すぎて外せなくなるんじゃないかと不安になりましたが、加熱しないと回らず、でも少し熱すると外せる状態で、適量となる塗布量もつかめてきました。

さて今回ノーマルスプリングに戻すにあたって、そのままでは柔らかいので底のワッシャーを厚くしてイニシャルをかけてやろうという魂胆なのが、ついでそのワッシャーをスラストニードルベアリングに差し替えてみることにしました。スプリングが伸縮する際に生じるねじれの抵抗を、このベアリングがクルクル回って逃がす、というものです。バネが縮もうとするのを阻害するツッパリがなくなるので、サスの動きがこまやかになるとか。

問題はノーマルのワッシャーの直径が23.5mmのところ、市販されているスラストベアリングは24mm。0.5㎜の違いが収まる範囲なのか、が気になります。

そこでインナーチューブ内径を測ろうと思いましたが、内径が細くなってスプリングが収まる部分は結構奥まっていてノギスでは測れません。そこで、外径が24㎜のソケットを突っ込んでみたところ‥何の抵抗もなくスカスカ入ります。これは使えます!

フォークの底に入ってスプリングを受けているノーマルのワッシャーは厚さが2㎜あります。

これを、薄いワッシャー+スラストベアリング+ノーマルワッシャーで5㎜にして組みなおして試走‥してみたところキタコさんのものよりはずいぶん柔らかくなりましたが、自分の好みからすると硬い&突っ張る。のでまた全バラして、

薄いワッシャー+スラストベアリング+薄いワッシャーの4㎜にして組みなおして試走。

これはいい感触!

ダンパーオイルはこれまでカヤバの#30(動粘度116cSt)を使っていました。今回広島高潤の130cStという超高粘度のオイルを手に入れたので、これと1:1でブレンドしたものを入れました。が、ダンピングも硬すぎたのでブレンドしたものを60ccほど抜いてカヤバの#30を補充。

混ぜるために容器に注いでみたところ、お互いの粘度が高すぎて、そのままでは全然混ざらないのね。

ぼちぼちいい感触ではありながら、まだツッパリ感があったので、オイルを抜いて油面を下げました。走って足して、走って抜いてを計4回。もう面倒なのでフォークは外さず、片側ずつトップキャップを抜いて上からシリンジでチューチュー。ここであんまりにもごく微量でフィーリングが変わるので、ちょっと計算してみました。

オイルが溜まっているインナーチューブの内径が24mmだとしたら、断面が約4.5平方cmになります。というわけで、たとえば4.5ccで油面は1cmも動くということになります。これはデリケートだわ。こんなに細いフォークのバイクは初めてなので、雑なことできませんね。

スラストニードルベアリングを入れたことについては、最初フォークが硬いと思っていた時には全然わからなかったのに、柔らかくしていくとサスが動くようになるから、という点を除いて考えても動きが良い感じ。これは、毎日の通勤路のヘアピンS字カーブでこれまでは路面の凹凸が気になってラインから外していた大外から侵入してもギャップが気にならなくなったということで気が付きました。

全バラすること3回、トップキャップを外すこと4回。調整ができないGROMのノーマルフォークもこりゃいいや!と思えるような足にすることができました。部材費はフォークオイルが3000円程度、ベアリングとワッシャーが左右で1000円程度。フォークオイルはブレンドして作らなくても、広島高潤からGROM用として3種類用意されている中の一番柔らかいものか次のグレードで良いんじゃないかと思います。これであのフナフナなフォークとおさらばできるなら安いものです!加工はやや手間ですが、街乗りGROMにはかなりおすすめ。

2 Comments

TOK

すぐに底付きするフロントフォークをなんとかしたいけど、オーリンズは高いし…
と思ってたけど、こんな方法で改善する事が出来るんですね。
ただ、ボトムブラケットを外すのに専用工具が必要だったりでハードルが高いですね。

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つがたく

>TOKさん
僕自身、これでこんなに良くなるとは思いませんでした。全バラできる手段さえ見つかれば、これはおススメできますよ。

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